デジタルパワーアンプの販売について2024-09-05


本当は完成品で販売しようと思ったのですが。。。
日本では電気用品安全法という厳しい規則があって、PSEを取得していない電気製品を一般家庭用に販売する事はできません。そうならば当店もPSEの認定を、、と検討したのですが、「製造工場の設備審査」、「品質管理体制の審査」あるいは「製品の耐電圧試験」などが義務付けられており、それら申請手続きを専門の審査会社に委託しなければならないなど、当店のような家内制手工業(というか店主一人だけ)の店では敷居が高すぎる事がわかりました。つまり費用も手間もかかるのですが、それ以上に製造者の規模が必要ですので当店では無理なのです。

そこで当店ではデジタルパワーアンプをキットとして販売する事にしました。組み立ては『ハンダを使わずに誰でも簡単に組み立てられる』ようにしますが、電源ケーブルは付属しません。一般の3Pソケットが付いていますので適切な電源ケーブルを使ってお使い下さい。

デジタルパワーアンプキット  ( 型名 : ss120 ) 
〈特徴〉
詳しくは8月後半の店主のブログをご参照下さい。
オーディオ用として最高のトランスと豊かな余韻の第二世代電源にデジタルアンプユニットを組み合わせたパワーアンプです。
カニトランスと第二世代電源という最高の組み合わせを、ぜひお楽しみ下さい。

電源入力    
    IECソケット AC100V 50/60Hz
電源 トランス
    特注カニトランス  定常6A(Max8A)
整流回路 (第二世代電源回路)
     B24A06HV2
     LC6003H
     CP3006H
アンプユニット
      TPA3255 Mdule
出力
       内部電圧は28.8V
       約100W  x2 at 4Ω
 Mute回路
       約3秒 ready表示LED
ボリューム
        アルプス RK27シリーズ2連
入力コネクタ
        RCA  ステレオ
出力コネクタ
        バナナ/Yラグ/剥き線 全対応端子 ステレオ
ケース
        アルミ押し出し材 黒アルマイト加工
W.H.D
         166, 82 ,230
Weight
          4.3 kg
電源ケーブルを含め一切の外部入出力ケーブルは付属しません。

販売価格    110,000円 (税込)
日本国内への送料は当店負担。

発送開始予定
        2024年 10月  中旬

上記の仕様は適宜改良・変更される可能性があります。
注文生産とさせていただきますので、ご購入いただける方はメールでご予約をお願い致します。
ご予約いただいた方への発送準備が整いましたらメールにて請求書をお送り致しますのでお振り込みをお願いします。当店からの請求書が届かないうちは決してお振り込みにならないようにお願い致します。
入金を確認してからの発送となります。

製品の保証
通常の使用において5年間の動作保証を致します。

ご質問はお気軽にどうぞ
info@practsoundsystem.jp

     










電解コンデンサの功罪2024-09-11

電源に入れる平滑用コンデンサや回路中に入れるバッファとしてのコンデンサは、電源ラインが不安定な場合にその不足分を補うという、回路を安定動作させるための大事な役目をしています。また、コンデンサを入れることで低音域がよく出るようになるという現象もあるようです。デジタルアンプアンプ内蔵のスピーカ開発をしていたある会社の方が、なかなか低音が出なくて悩んだ末に出力回路に大きめなコンデンサを入れたら低音が出るようになった、という記述を読んだ事がありましたが、これなどはコンデンサの効果が良く出た内容と思います。
しかし、オーディオに限って言えば、コンデンサで電流補償された回路が生成する音は、以下の理由により好ましい物ではありません。

1. 時間軸がずれることによる歪みが入る。
    主に低音域ですが、大きな電流を必要とする波形が出力回路に送られてから回路電圧が下がってコンデンサが放電を開始するまで、僅かですが無視できない時間遅れがあります。この遅れはそのまま再生波形の歪みとなり、不明瞭でブーミーな低音になります。

2. コンデンサの充・放電の切り替わり時に発生するノイズが音を濁す。
   例えば整流回路の平滑コンデンサはリップル電圧により充電と放電を繰り返していまが、切り替え時間はゼロではありません。このゼロではない切り替え時には電流が短時間停止します。つまり充放電の切り替わりは電流をせき止めたり流したりしますので、電流のイナーシャ(慣性)で回路にはその都度反射ノイズが発生しています。

2000年頃に著名な回路設計者の方(お名前は失念)が、プリアンプの電源へのコンデンサは本当にちいさな物にするべきだ、ということを書いていた方がおられました。その頃は私も「良質のコンデンサを十分に入れることで回路電圧は安定し、ひいては音も良くなる」と思ってましたから、当時その記事を読んで「この人、何を言ってるんだろ?」と思ったものでした。

しかしその後第二世代電源に出会い、コンデンサに過度に頼らない給電回路にすることで、音の純度がどんどん改善し、低域の解像度とキレ、中音域の立ち上がりとツヤ、高音域の透明な伸びと全音域での豊かな余韻と臨場感が得られることかわかりました。

ダイオードという時間遅れのある素子で構成したブリッジ整流回路では、これまでコンデンサで平滑することが常識とされていますが、結局それでは電流補償が十分にはできていないことが分かりました。ブリッジ整流では本質的に無理なのです。

スイッチング電源といえども整流用ブリッジを初段に内蔵しており、その出力でDC/DC回路を起動しています。DC/DC回路はブリッジ整流回路の負荷として動作しています。その結果、ブリッジ整流回路にある電流欠損がDC/DC回路の動作を一時的に停止させるという現象が発生しています。この現象は波形でも確認されています。下の画像はFMVというパソコン(スイッチング電源のACアダプタで供給)のUSB出力電圧波形です。拡大するとわかりますが、電源周波数の2倍の周波数で電圧波形が欠損しています。緑のラインはそれをFixCurrentを通過させた後の電圧波形ですが綺麗に安定しています。(九州[60Hz地区]にて撮影)
(クリックで拡大)
FMVのUSB出力電圧とFixCurrent通過後の波形


コンデンサが無ければオーディオ機器を含めて様々な機器が正常動作しません。しかし、オーディオ回路において特に音質という視点からだけ判断すれば、できる限りコンデンサに頼る設計はやめるべきです。アクティブな音楽信号の再現という仕事を、パッシブなコンデンサに頼ってはいけないのです。
立ち上がりの良いトランスに、電流欠損を生じない第二世代電源回路を組み合わせて、トランスのアクティビティそのもののエネルギーで給電する事こそがベストであるということがわかります。

今回当店で発売するデジタルアンプキットも必要最低限のコンデンサしか入っていません。立ち上がりの良いカニトランスに第二世代電源を組み合わせて、それを音の良いデジタルアンプ素子と組み合わせたもので、現代最高の音のアンプです。



FIxCurrentUSB-PDの効果2024-09-28

USB-PDという規格があります。これは、パソコンに接続されるUSB機器について、パソコンのUSBからの給電だけで動作することを保証する規格です。
そのようなDACとか録音のためのAudioUnitとかはパソコンからの給電だけで動作するため便利ではあるのですが、その一方で電源がパソコンからの給電に限られるため、パソコン側のノイズの多い劣悪な電源から給電を受けなければならないという制約があり、音質は良くありませんでした。そこを改善しようとしてFixCurrentUSBは開発されました。その通り音楽製作現場での音質改善を成し遂げることができました。このように、もともとUSB-PD用として開発をすすめていたFixCurrent USB-PDですが、それを試聴なされたお客様からPDではなく外部電源を持った普通のDACと接続しても効果があったとご報告がありました。さらに「電流容量を上げてもらえればさらに低音域が充実するのでは」とのご提案もいただき、出川先生のラボで電流容量をUPしたバージョンを作成し試聴していただいたところ、間違いなく低域の豊かさが増えてさらに良くなったとのご報告をいただきました。
これは外部電源を入れているDACやAudioUnitであってもその外部電源が第二世代電源でない場合にはもともと電流欠損のある電源であるのに対し、USBからの電流ラインがFixCurrentにより改善されて電流欠損のない給電になったことでAudioUnitやDACへの給電が補償され、音質改善に繋がったと思われます。
これはFixCurrentが開発目標を超えて効果があったことの証です。

USB用FixCurrent


以前から皆様にお伝えしておりますが、音楽再生にとって良質な電源は必須です。現状の整流器とコンデンサだけの電源ではコンデンサやダイオードの動作遅れにより仕組み上電流欠損を避けられません。これはガリウムヒ素ダイオードのような高速ダイオードを使っても、あるいはスイッチング電源を使っても同じです。そのような電源環境で録音された音源は広がりに掛け、臨場感が乏しくなります。当然そのような電源で再生された音も余韻のない荒れた音になります。
オーディオの電源には是非第二世代電源を使ってください。これが正しい電源です。当店では第二世代電源を採用した抜群に音の良い100Wx2のパワーアンプをキットで販売する準備をすすめております。10月中旬出荷開始予定です。
低価格で第二世代電源をお試しいただける製品となっておりますので是非ご注文ください。
音質は当店が保証致します。
アンプは5年間動作保証いたします。