家庭用電源の大地アース?? ― 2025-04-17
日本の家庭用100Vコンセントは片側がアース(大地)に繋がってます。しかしそのアースはオーディオ用には使えません。
コンセントで大地に落ちているとしても、そこには大地に至る間にさまざまな機器が繋がっていて、決して綺麗なアースではありません。特にスイッチング電源ではいきなり整流回路が電源に直結されていてそこからの整流時のリンギングノイズがコンセントラインに直接流れ出ています。
次の図がスイッチング電源の概略構成図です。(図は拡大できます)
AC100Vを直接ブリッジ整流器で直流に替え、その出口にスイッチング回路を設けてその通電積分時間で直流電圧を維持する作りになっています。
これに対してアナログ電源ではコンセントからAC100Vが入るのはまず電源トランスであり、そこと絶縁された二次側回路に整流回路が入っています。
このためアナログ電源であればさほど電源を汚すことはないのですが、スイッチング電源の100Vをブリッジ整流する部分ではサージ電圧が150Vぐらい出ますし、整流素子のON・OFFによるパルス性のノイズも発生します。現代では各種ACアダプタや太陽光のインバータ、エアコンや冷蔵後、テレビなどのスイッチング電源が溢れていてコンセント電源がそれらに完全に汚されています。ですから(コンセントのアース側)を基準としてはだめです。そんなことをするとかえってノイズに悩まされます。その意味では日本では綺麗で優秀な大地アースは非常に取りにくいのです。高層住宅も増えてますし、そこにはエレベータ等の大型のインバータも入ってますから、ますます悩ましい問題があります。
ではオーディオ用システムのアースはどうするか、ですが、
オーディオシステム全体の中心になる機器をアース点と決めて、そこを中心に小さな島として浮かせるイメージでまとめると良いのです。日本では信号のマイナス側が本体シャーシに落ちている機器が多いので、そのような機器同士を繋ぐ場合は別途アースをつなぐ必要はありません(別途繋ぐとループになってしまってダメ)。
たとえばデジタル系では同軸線を繋いだ時点で基準が共通になりますので別途アースは無用です。基本は「機器それぞれのアースポイントを調べてそこを繋いでいく」のです。中心となる機種を基準にして、ループをつくらないよう放射状に接続します。日本製を使う限りは繋ぐだけで基準が決まるという事が日常的に起きており比較的簡単に基準の共通化ができると考えていいです。
そうやってオーディオシステムの島ができたら、その島への給電にはMNR1201+0604などのノイズフィルタを入れて清浄な交流を100V入れてください。ここまでの内容が肝になります。
次の図は理想的な家庭内オーディオ機器の構成図です。
信号ラインを緑線、電源ラインを赤線、直流ラインを青線で書いています。
オーディオの島全体をMNR1201+0604(合計30A)で供給します。
MNR1201+0604は中にGroupA、GroupBという2系統のコンセントがありますので、アナログ信号系機器をGroupAにまとめ、デジタル信号系機器をGroupBにまとめることをするとよりアナログ系の音の純度が上がります。
さらに例えばDACがスイッチング電源で駆動されているような場合、直流側はDACに入るだけですからいいのですが、電源側にスイッチングのノイズが出てきてしまうので、それを防ぐためにMNR1202という貫通型のノイズキャンセラーを使います。それらを全部GroupBにいれれば完成です。
この図をみて気がつかれるかと思いますが、特にアースへの配線というものは繋いでいません。全て信号線を介して相互に共通電位をやりとりしています。基準さえしっかりしていればこれで十分なのです。
MNRシリーズは当店のページに紹介してあります。https://www.practsoundsystem.jp/mnr.html
絶大な効果のあるノイズキャンセラーであり、海外にも複数輸出しています。
当店でss120を開発していた当時、最初は作業用の普通電源で動作試験していたのですが、それをMNR経由に差し替えた途端に音の純度が上がり、思わず作業の手を休めて聞き惚れてしまったものでした。それほどに電源をクリアにする効果は高いです。
以前も書いたかもしれませんが、オーディオの肝は 一にも二にも電源です。これまでのオーディオ用電源はリニア電源にしてもスイッチング電源にしても整流回路の欠点を隠してきてますのでみなさん本当の音を聞けていないです。
出川式電源(第二世代電源)で欠損やノイズのないクリアな電源を回路に入れることで、これまで感じたことのない音の世界が待っています。
ぜひお試しください。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://practnaga.asablo.jp/blog/2025/04/17/9769193/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。