半世紀前のプリアンプ ― 2025-06-30
半世紀前のプリアンプをチューンしました。
1979年発売の、DENON製PRA2000をチューンさせていただきました。
かつての名機と言われたアンプで、レコードをかけると解像度の高い明瞭な音がします。長岡先生も愛用されていたとの事で、このアンプのヘッドアンプならびにイコライザアンプに惚れたものと思われます。
ノイズ対策をすると共に第二世代電源の実装をさせていただく事でお預かりしました。
このプリアンプは、トランジスタ回路でありながら±75Vという高い電圧でメインアンプ部が駆動されています。当時のトランジスタの一番美味しいところを使って作られているとは思いますが、ちょっとした電圧バランスの乱れがノイズにつながります。これを第二世代電源化するとなると、ノイズ対策の他に各部の高電圧回路が耐えられるかという問題も考えねばなりません。第二世代整流回路は一般のブリッジ整流回路に比べて整流効率が高いため数ボルト高めの電圧がより元気よく負荷回路に流れ込もうとします。長い間一定の電圧以下で運転されてきた回路が、急により高い電圧にさらされるとそのショックで故障してしまうこともありますし、調整点が変わってノイズが出ることもあります。というか、今回も実際にそのような事象が発生しました。
今回それらの現象を一つ一つ潰し、全体のノイズレベルを極限まで下げるチューニグを行いました。
故障が発生した部品は同じものを入手しなければなりませんが、半世紀前の設計品なのでかつてのトランジスタを見つけるのがまず苦労しました。また、今回故障が発生した素子とコンプリメンタルの素子が故障していない場合も劣化を想定して交換対象としたため交換部品数が増えました。
いずれにしましても完成したこのアンプは素晴らしいヘッドアンプ回路とイコライザ回路を内蔵しています。かつてのLPをかけるといつまでも聴いていたい音になります。
このアンプに刺激され、当店のレコード再生環境も見直しを図りました。
当店手持ちのプリメインアンプ(PMA1500R:フルチューン)にも一応MC/MM切り替え式のイコライザアンプを内蔵していています。本体の電源を第二世代電源にフルチューンしてあるのでそこそこの音はしていましたが、同じDENONの 50年前の高級機PRA2000(フルチューン)には全く敵いません。PMA1500Rは 1998年の製品なので、その頃すでにイコライザ回路はおまけ的な要素になっていたものと思われます。まぁ価格帯が全く異なりますしね。PRA2000は50年前に85000円でした。その翌年某電機メーカーに就職した店主は初任給の手取りが8万円以下だったことを記憶しています。PMA1500Rは確か7万円弱の製品でした。当店がPMA1500Rを使っているのは、UHC-MOSを使っていて余裕持ったパワーアンプ構成が、第二世代化した際に本領を発揮してとても良い音がしているからです。
PMA1500Rのレコード再生を見直すために、まずはMM/MC切り替え式のイコライザアンプを出川式イコライザアンプに入れ替えることとしました。基板は谷岡電子製のイコライザキットです。これに当店の細密チューンを施して、PMA1500Rのイコライザ部の電源と入出力を横取りして入れ替えます。オペアンプには手持ちのMUSE02を使いました。
入れ替え前イコライザアンプ基板

基板を追加して配線を横取りする予定
イコライザ回路のアースラインも見直してノイズ対策を行い、まずはMMカートリッジで聴いてみました。
ストレートで明瞭な実にいい音です。しかし繊細さがやはり少々欠けています。ここから先はヘッドアンプをつけてMCでの再生に切り替えていきます。ヘッドアンプも出川式で、電流をより多く流せるように特製された2SK389のカレントミラー入力に定電流駆動回路を組み合わせた専用設計品です。基板は届いていますが、ケース・電源を別置きで作りますのでこの内容は継続で後ほど報告します。
しかし、かつてのLPレコードを聴いていますが、音いいですねぇ。海外出張を繰り返す暮らしから戻ってみたら時代はCDに変わっていて、その時にその音があまりにひどい音だったことが当店を始めたきっかけでした。当時、CDの音をなんとか改善しようとあれこれチャレンジしたものでした。悩めば悩むほど、いろんなことが見えてきたので面白かったです。
それに、、若かったし。。。
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