デジタルアンプの使いこなしについて ― 2026-03-08
デジタルアンプの使いこなしについて
当店でssシリーズに使っているデジタルアンプについては中華製アンプボードに独特の工夫や加工を行っている。
よりよい音を実現するための当店のノウハウとも言えるチューニングの要点を以下に示す。
これからご自身で中華アンプボードを使ってみようと考えておられる方はぜひご一読ください。
デジタルアンプ(D級アンプ)とは
デジタルアンプは簡単に言うと周波数可変式のスイッチング電源です。どちらもPWM変調(パルス幅変調)というデジタル方式でアナログ波形を作り出しています。
ただスイッチング電源の場合は安定した直流をつくるだけですから固定された低めの周波数(数K〜数十KHz程度)で駆動されているのに対し、高級オーディオ用D級アンプは音声周波数帯をカバーするために数百KHzという高い周波数で発振していて、それも音声信号に合わせて常時変化しています。たとえば当店のアンプで使っている高級オーディオ用チップであるTPA3255は450KHz±20KHzというとても高い周波数が使われています。
つまりD級アンプでは入力電圧を0からフルスイングする大きなパルスでアナログ波形を作り出しています。
このパルスの立ち上がりが鈍ってしまったら決していい音にはなりません。そのための電流を澱みなく供給しないと良い音にはならないのです。レスポンスの遅い電源で駆動してもデジタルアンプは本領を発揮しません。アナログアンプにも電源は大事ですが、それ以上に電源の差がハッキリと出やすいのがデジタルアンプです。
立ち上がりの良いカニトランスに低インピーダンスな出川式電源を組み合わせて、アナログ回路には細密チューンを実施して当店のアンプは出来上がっています。最初にss120を作り、その電源の余裕を得たいというお客様の御要望で生まれたのが、600VAのトランスとデュアルアンプで構成したss600Dでした。さらにその余裕を拡大したいと別のお客様からのご要望でできたのが1KVAのトランスを積んだss600Dspでした。
2枚のアンプボードの合計出力のほぼ2倍の1KVAまでトランス容量を拡大した時、いろんな資料を調べていた際に、 AIにも尋ねていろんな情報を得ました。その中で、TPA3255であれば再生周波数範囲が広いのでその広範囲な周波数範囲を満遍なく再生するためには内部抵抗(ESR)が極端に低い大型のフィルムコンデンサをパラにすると良いとの情報がありました。やってみるとまさに目から鱗でした。高速な電流を要求するデジタルアンプ素子に超低ESRの大型フィルムコンデンサで電流を補足しながら供給してやる。そうすることでまさにデジタルアンプの本領が発揮されました。最高音域が伸びるとともに全域にわたって明瞭度が改善されたのです。途端に当店の小さなブリロン1.0SLEから広大な演奏ステージが再生されて、正直びっくりしました。この点は当店に試聴においでになられたお客様には私の驚きと同じ驚きを感じていただいています。
この音はデジタルアンプをお使いの皆様にお勧めしたいところですが、実はこの演奏会場の空気感を再生できるシステムというのは、第二世代(出川式)電源にSPMDを組み合わせた当店のssシリーズでないと十分には再生できないのです。(昨年5月3日のブログを参照ください)
普通はスピーカーの逆起電圧(位相ノイズ)にかき消されている領域にこそ、美味しい空気感データが含まれているのです。出川先生のアシストをもらいながら自作でアンプを作っている当店だからこそ出せる音です。
今回見つけたフィルムコンデンサの組み合わせは当店のss600Dとss600Dspには最初から実装してあります(エンハンスオプション、の名称)
ss120には入れていませんので、ご希望の方はご注文時にお申し出ください。
すでにss120をお持ちのユーザ様にも同じ費用で追加改造致します。ご連絡ください。
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