電解コンデンサの功罪 ― 2024-09-11
電源に入れる平滑用コンデンサや回路中に入れるバッファとしてのコンデンサは、電源ラインが不安定な場合にその不足分を補うという、回路を安定動作させるための大事な役目をしています。また、コンデンサを入れることで低音域がよく出るようになるという現象もあるようです。デジタルアンプアンプ内蔵のスピーカ開発をしていたある会社の方が、なかなか低音が出なくて悩んだ末に出力回路に大きめなコンデンサを入れたら低音が出るようになった、という記述を読んだ事がありましたが、これなどはコンデンサの効果が良く出た内容と思います。
しかし、オーディオに限って言えば、コンデンサで電流補償された回路が生成する音は、以下の理由により好ましい物ではありません。
1. 時間軸がずれることによる歪みが入る。
主に低音域ですが、大きな電流を必要とする波形が出力回路に送られてから回路電圧が下がってコンデンサが放電を開始するまで、僅かですが無視できない時間遅れがあります。この遅れはそのまま再生波形の歪みとなり、不明瞭でブーミーな低音になります。
2. コンデンサの充・放電の切り替わり時に発生するノイズが音を濁す。
例えば整流回路の平滑コンデンサはリップル電圧により充電と放電を繰り返していまが、切り替え時間はゼロではありません。このゼロではない切り替え時には電流が短時間停止します。つまり充放電の切り替わりは電流をせき止めたり流したりしますので、電流のイナーシャ(慣性)で回路にはその都度反射ノイズが発生しています。
2000年頃に著名な回路設計者の方(お名前は失念)が、プリアンプの電源へのコンデンサは本当にちいさな物にするべきだ、ということを書いていた方がおられました。その頃は私も「良質のコンデンサを十分に入れることで回路電圧は安定し、ひいては音も良くなる」と思ってましたから、当時その記事を読んで「この人、何を言ってるんだろ?」と思ったものでした。
しかしその後第二世代電源に出会い、コンデンサに過度に頼らない給電回路にすることで、音の純度がどんどん改善し、低域の解像度とキレ、中音域の立ち上がりとツヤ、高音域の透明な伸びと全音域での豊かな余韻と臨場感が得られることかわかりました。
ダイオードという時間遅れのある素子で構成したブリッジ整流回路では、これまでコンデンサで平滑することが常識とされていますが、結局それでは電流補償が十分にはできていないことが分かりました。ブリッジ整流では本質的に無理なのです。
スイッチング電源といえども整流用ブリッジを初段に内蔵しており、その出力でDC/DC回路を起動しています。DC/DC回路はブリッジ整流回路の負荷として動作しています。その結果、ブリッジ整流回路にある電流欠損がDC/DC回路の動作を一時的に停止させるという現象が発生しています。この現象は波形でも確認されています。下の画像はFMVというパソコン(スイッチング電源のACアダプタで供給)のUSB出力電圧波形です。拡大するとわかりますが、電源周波数の2倍の周波数で電圧波形が欠損しています。緑のラインはそれをFixCurrentを通過させた後の電圧波形ですが綺麗に安定しています。(九州[60Hz地区]にて撮影)
(クリックで拡大)
しかし、オーディオに限って言えば、コンデンサで電流補償された回路が生成する音は、以下の理由により好ましい物ではありません。
1. 時間軸がずれることによる歪みが入る。
主に低音域ですが、大きな電流を必要とする波形が出力回路に送られてから回路電圧が下がってコンデンサが放電を開始するまで、僅かですが無視できない時間遅れがあります。この遅れはそのまま再生波形の歪みとなり、不明瞭でブーミーな低音になります。
2. コンデンサの充・放電の切り替わり時に発生するノイズが音を濁す。
例えば整流回路の平滑コンデンサはリップル電圧により充電と放電を繰り返していまが、切り替え時間はゼロではありません。このゼロではない切り替え時には電流が短時間停止します。つまり充放電の切り替わりは電流をせき止めたり流したりしますので、電流のイナーシャ(慣性)で回路にはその都度反射ノイズが発生しています。
2000年頃に著名な回路設計者の方(お名前は失念)が、プリアンプの電源へのコンデンサは本当にちいさな物にするべきだ、ということを書いていた方がおられました。その頃は私も「良質のコンデンサを十分に入れることで回路電圧は安定し、ひいては音も良くなる」と思ってましたから、当時その記事を読んで「この人、何を言ってるんだろ?」と思ったものでした。
しかしその後第二世代電源に出会い、コンデンサに過度に頼らない給電回路にすることで、音の純度がどんどん改善し、低域の解像度とキレ、中音域の立ち上がりとツヤ、高音域の透明な伸びと全音域での豊かな余韻と臨場感が得られることかわかりました。
ダイオードという時間遅れのある素子で構成したブリッジ整流回路では、これまでコンデンサで平滑することが常識とされていますが、結局それでは電流補償が十分にはできていないことが分かりました。ブリッジ整流では本質的に無理なのです。
スイッチング電源といえども整流用ブリッジを初段に内蔵しており、その出力でDC/DC回路を起動しています。DC/DC回路はブリッジ整流回路の負荷として動作しています。その結果、ブリッジ整流回路にある電流欠損がDC/DC回路の動作を一時的に停止させるという現象が発生しています。この現象は波形でも確認されています。下の画像はFMVというパソコン(スイッチング電源のACアダプタで供給)のUSB出力電圧波形です。拡大するとわかりますが、電源周波数の2倍の周波数で電圧波形が欠損しています。緑のラインはそれをFixCurrentを通過させた後の電圧波形ですが綺麗に安定しています。(九州[60Hz地区]にて撮影)
(クリックで拡大)
コンデンサが無ければオーディオ機器を含めて様々な機器が正常動作しません。しかし、オーディオ回路において特に音質という視点からだけ判断すれば、できる限りコンデンサに頼る設計はやめるべきです。アクティブな音楽信号の再現という仕事を、パッシブなコンデンサに頼ってはいけないのです。
立ち上がりの良いトランスに、電流欠損を生じない第二世代電源回路を組み合わせて、トランスのアクティビティそのもののエネルギーで給電する事こそがベストであるということがわかります。
今回当店で発売するデジタルアンプキットも必要最低限のコンデンサしか入っていません。立ち上がりの良いカニトランスに第二世代電源を組み合わせて、それを音の良いデジタルアンプ素子と組み合わせたもので、現代最高の音のアンプです。
立ち上がりの良いトランスに、電流欠損を生じない第二世代電源回路を組み合わせて、トランスのアクティビティそのもののエネルギーで給電する事こそがベストであるということがわかります。
今回当店で発売するデジタルアンプキットも必要最低限のコンデンサしか入っていません。立ち上がりの良いカニトランスに第二世代電源を組み合わせて、それを音の良いデジタルアンプ素子と組み合わせたもので、現代最高の音のアンプです。
最近のコメント