インターコネクトケーブルの悩み ― 2026-10-02

インターコネクトケーブルの悩み


オーディオ信号を伝送するケーブルとしてはSPC-AVはこれまでにない素直な音質と広範なレンジでSPケーブルとしては今のところ当店ではベストなケーブルである。信号レベルは違うけどインターコネクトとしてはどうだろうと試してみて、それが明らかに効果が高かったのでSPC-AVのRCAケーブルとして販売もしていた。しかしSPC-AVはシールドされていない。このためある程度の長さになってさらに周囲にノイズ源があると必ず信号にノイズが乗る。当店では出ないこの現象が他のお客様のところでは色々な機器が併設されていて避けられないことがわかった。だからまずは当店のHPからSPC-AVのRCAケーブルを削除して販売をやめた。


さてそこでRCAケーブルをどうするか、当店ではこれまでシステム全体にSPC-AVを使っていて特に問題はなかった。しかし試しに長い線を作って電源に近づけるとやはりノイズが乗る。これでは安心して使えない。そこで思い出したのが、当店でss600Dspを納入した際にお客様からの指定で内部配線として使っていたオヤイデのPA-02 V2という型式のRCAケーブルである。とても硬い線でこれで本当に音が良くなるのかと最初は訝しんだが、実際に内部配線に入れてみて驚いた。音にかかっていた幕が剥がれるように明瞭な鳴り方に変わったのである。以来ss600Dspの内部配線には全てこの線を使って納入している。


そこで当店で販売するRCAケーブルもオヤイデのRCA線(PA-02 V2)を使って新しく出そうとしたのだが、オヤイデのHPをよく見たらペア0.7m,1.0m,1.3mのどれでも税込9,680円で販売している。当店で造ってもこれ以下の金額では出せないので販売を取り止めた。「PA-02TR V2 インターコネクトケーブル(RCAペア)」という製品。1.3mペアより長いものも特注で出してるがケーブル代の追加だけの良心的な価格付けなのである。ノイズ対策的にも音質的にもお勧めである。


じゃあ我が家のRCAケーブルはどうするかというと、少しずつSPC-AVからPA-02 V2を使って作り直している。まずはDAC(SU-1)から128stepATTを経由してss600Dspに至るRCA ラインの2セットを変えてみたが、音の鮮明度が明らかに変わった。ノイズは乗ってないように聞こえても音情報を削る方向に乗っていたのかもしれない。これだけ明瞭度が増すのであれば全てのRCAラインをPA-02 V2に変えていくことにする。


一つだけ要点があって、PA-02 V2はシールドの中に赤・白の2芯が入っていて1本で左・右chの接続が可能である。ただそうやって配線をしようとすると、コネクタをつける部分は左右に分ける必要があるので少し長めに剥かなければならない、そのまま配線するとこの部分だけシールドがされない部分が出てしまう。そこを個別に銅テープなどで巻いてシールドをコネクタまで延長することもできるが、かなり面倒だし見た目もあまりよくない。そういう理由からかオヤイデの「PA-02TR V2」では二股にせず、2本のペア構成にしているものと思う。この方がコネクタ付けも簡単だし見た目もすっきりしている。


しかし、自前のオーディオ環境を整える時に出来りかぎり資材費は節約したい。またこのケーブルにも方向性があるので、一本にまとめて作っておいた方が接続時の確認の手間が半分で済む。当店では試験のたびに配線替えするなんていうのもしょっちゅうなのでそこはできるだけ効率的にしたい。そうなると1本でステレオ転送できる配線を作ってしまった方が良い。これはかなりの手間だが自分で作る分には空き時間で作ればいいだけなのでやってみた。


作成したシングルステレオケーブル


これができ上がった端子部分。

先端から7cmをの外皮を丁寧に剥いて、そこに巻いてある網線シールドを切らずに二つに分けて左右それぞれの配線に添わせる。コネクタをつけてから配線と剥き出しのシールド線を纏めてその上から銅テープを巻き、さらにその上からフリーステープを巻いて保護し、分岐点には自己融着テープを巻いて固定してからさらにフリーステープで巻いている。結構手間と時間はかかる。

これで別々に作った場合と音の比較をしたが、効果の差は感じなかった。元々ss600Dspの内部配線も本体中心部に1本引いていてアンプ基板に入るところで左右に分ける使い方をしているので運用上はこれで全く問題ない。


しかしウチのRCAケーブルを全部これに切り替えるのにはしばらくかかる・・・Phew...








バッファアンプのゲイン調整 ― 2026-09-17

バッファアンプのゲイン調整


前回作ったバッファアンプは、当店のMCヘッドアンプ+イコライザセット用に作ったものだけど、当初ゲインを20倍(26dB)に設定しておいていずれ調整する予定でいた。

ただ、調整に可変抵抗などは使いたくないのでオペアンプの帰還抵抗(Rf)は100KΩととりあえず決めおいて、接地抵抗(Rs)側にネットワーク抵抗という抵抗体(下記に説明)を入れて簡単な調整ができるようにしておいた。


バッファアンプに使っているオペアンプ回路はOPA2604の非反転アンプとOPA1612のボルテージフォロワーによるバッファで、簡単に書くと次の回路。

(実際にはこの他にも電源とかパスコンとかチューニングパーツなどは付けてあるのでこのまま作ってもいい音はしない)

バッファアンプ回路図


非反転アンプ(正相アンプ)の増幅率Aは上図の式で求められる。つまりRsをより小さくすればゲインは上がる方向。そこでRsに入れていた精密金属被膜抵抗によるネットワーク抵抗は次の構造のもの。


ネットワーク抵抗


この抵抗体は5.1KΩの精密抵抗が4本入っていて、片方が全て繋がっている(コモン)ものである。こういうネットワーク抵抗は基板上の部品配置を省スペース化するために使ったりしたものだけど今回はゲイン調整(上げる方向)のために入れておいた。この抵抗の右端の足にコモンが出てるので、これとその隣の足2をつなぐとその間は5.1Kオームになる。これがオペアンプの#3に入れている現在の状態で、この抵抗体の2と3の足を短絡するだけでRsは半分の2.55Kになる。


20log(100/2.55)‎ = 31.869 なのでこれでバッファアンプのゲインは32dBほどになる。


これでほぼDACの出力と等しくなった。ボリューム位置を慣れた位置で使えるのがいい。それとレコードを聴くのにしっかりしたバッファが入ったことでより音に質感が出てきたのが嬉しい。

今後我が家に試聴しに来られるお客様はぜひお好みのレコードもお持ちください。



双晶性制振金属という音質改善 ― 2026-09-14

双晶性制振金属という音質改善


金属単結晶はそれぞれに固有の共振周波数を持っているが、双晶性金属とは2個以上の同種類の単結晶が、一定の角度と規則性をもって接合している金属状態をいう。金属内部の双晶(結晶構造が対称的にズレた部分)の発生・消失・移動によって、外部から受けた広範囲な振動エネルギーを効率よく熱エネルギーに変換し、素早く減衰させる高機能な金属材料を双晶性制振金属という。


このような材料は車両やいろいろな機械構造物の内部に挟み込んだり貼り付けたりして制振材として使われているものとのことだがオーディオ用にも使えるのでは、と試して効果を確認された方々(出川先生を含む)がおられて、先生のFacebookにも紹介されている。


先日出川先生宅を訪問した際には私もシェル用に加工したこの制振板をいただいてきた。(出川先生、ありがとうございました)

共晶性制振金属


重さ 0.27g(デジタル重量計による実測値)

厚さ 0.12mm


早速やってみた。

ウチのカートリッジはDL103 だが、つける前にもかなり良い音で鳴っていたのだが、つけた後は・・なんと、驚き!


各楽器の音の輪郭がよりしっかりし演奏者がさらに前に出てくる。余韻も増えたように聞こえるし、ハイハットなどの高音部もより太く実を持ってリアルに聞こえる。それだけ臨場感が増している。これまでDACには少し負けるかな、くらいに思ってたのだが、ここまでリアルがしっかりするとは正直思わなかった。


抜群の臨場感。レコードの音を止めたくなくなった。引き込まれている。


制振金属の効果恐るべし。


オーディオって、まだまだ色々改善できるものがある。相手が振動だからかな。入り口から出口まで様々なところに振動がありそれを利用したりそれに邪魔されたり、、まだまだ先がありそう。。。


ピュアなバッファアンプを作った ― 2026-09-06

ピュアなバッファアンプを作った


当店のMCヘッドアンプ+イコライザーのセットは、そのままだとフォノレベルの出力しかないため、必ずプリを介さないと128stepATTにつなぐことができない。


しかしこの事はウチの場合「使い勝手」と「音」の二つの欠点を抱えている。


「使い勝手」について

当店で常用のチューンドSU-1を128stepATT経由使っている時にレコードが聴きたくなった際にはわざわざDENONのTuned PMA−1500Rを起動してそのライン入力+プリアウトを介してから128stepATTに入れてやらないといけない。レコードを聞くためだけにわざわざ複数の配線替えとPMA−1500Rの起動とをやらねばならず、かなり煩わしい。レコードを聴くための所作は「その面倒も味だ」などというテレビCMもあるが、アンプの起動停止と配線替えなどは本質的な嗜好とは相入れない所作であるのでまずこの点が一点。

これまでの入力切り替え


こうやって図に描くと、そんなに面倒なの?と思うかもしれないけど手続きとしては次のとおり結構面倒なのだ。

1.パワーアンプを切る

2.PMA-1500Rのボリュームが絞ってあることを確認する.

3.128stepATTを最低位置にする.

4.DACから128stepATTに繋いでいるRCAケーブルのDAC側を外す。

5.外したRCAケーブルの入力側をPMA-1500Rのプリ・アウトに繋ぐ。

 =>これがラックにのせたPMA-1500Rの背面なのでかなり大変

6.パワーアンプの電源を入れる

7.PMA-1500Rの電源を入れる。

8.PMA-1500Rのボリュームを中程度まで上げる。

9.レコードの針を落とすとともに、、

10.128stepATTの音量を適量まで上げる。


「音」について

以前は良い音と思って聞いていたPMA−1500Rではあるが、Full Tunedではあってもそのプリを通すといまいち音の純度が下がってしまうという点がもう一つ。実はこの点の方が大きい。私がDACの音をプリを通さず128stepATT経由で聞くようになって感じているのはやはり音の純度の違いである。包まれるような滑らかな臨場感、その豊かな臨場感は部屋のどこにいても感じられる音なのであるが、こういう音は純度が下がると感じにくくなる。やはりMCヘッドアンプ+イコライザーを直接128stepATT経由で聴きたくなる。しかしレベルが小さい。。。


ということで、音の純度の高いバッファ・アンプが欲しくなる。


そこでMCヘッドアンプ+イコライザセットと128stepATTの間に入れるPureな増幅回路を作った。ここで音が劣化しては元も子もないので、オペアンプを厳選して密度の高い太めの音を狙った。初段の増幅率は26dBに設定し、入力インピーダンスの高いFET入力のOPA2604を使ってイコライザー回路に負荷をかけないようにし、その後ろの出力バッファにはボルテージ・フォロワとして高速・高帯域・低雑音でドライブ力の高いOPA1612を入れた。もちろん細密チューンをそれそれぞれに施し、常に清浄な電流がそれぞれのオペアンプに供給されるように注意して構成した。トランスはカニトランス、電源はもちろん出川式電源にレギュレータ回路と組み合わせて±15Vを作った。レギュレータ回路の随所にSBD、MLCCなどを入れた。このバッファ・アンプの音は、SU-1の後ろに繋いだ状態で音を聴きながら一つ一つチューニングを入れたり外したりしながら音を決めていった。かなり時間がかかったけど楽しかった。


この結果、MCヘッドアンプ+イコライザセットの後ろに常にこのバッファアンプを繋いでおくことができるようになった。これでSU-1 を通すデジタル音源と、イコライザーを通すアナログ音源との切り替えは128stepATTへの入力ラインを差し替えるだけでできるようになった。

バッファアンプ製作後


1.パワーアンプを切る

2.128stepATTを最低位置にする.

3.DACから128stepATTに繋いでいるRCAケーブルのDAC側を外す。

4.外したRCAケーブルの入力側をバッファアンプの出力に繋ぐ。

5.パワーアンプの電源を入れる。

6.レコードの針を落とすとともに、、

7.128stepATTの音量を適量まで上げる。


関係する3台の自作機器は全て近傍に置いてあるので切り替えも簡単である。



ものを作ること、それで音を改善し、使い勝手をよくすること・・最高に楽しい。




Tuned SU-1へのご感想をいただきました。 ― 2026-08-28

Tuned SUー1へのご感想をいただきました。


当店のオーディオシステム・フルセットをご購入いただいた埼玉のK様から、先納してお使いいただいていたTuned SU-1へのご感想をいただきましたのでここに紹介させていただきます。


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何年か使ってきたショップチューンのマランツsa-10との比較感想です。

音質では、チューンドsu-1の圧勝。

情報量、fdレンジ、立ち上がり下がり、有機的、耳障りでない等々、所謂オーディオの判定項目すべてで、上でした。

まあ、再生の基準となるような音で、d/a変換を、余計な±なしで、正しくやってますという印象です。

聴き比べると、マランツはモニター的であっても、ブランドの音みたいな個性は感じます。


価格差、重量差は、これまた、圧倒的格差で、こんなに小さくて軽くて、こういう音が出るものかと不思議です。


小さくて、お安いので、原器みたいな位置づけで、試してみてはいかがでしょうか。有名ブランドのオーディオ製品を繰り返し購入している人には、特にお勧めかと思います。

音色の違いではなくて、一つ上の次元に連れて行ってくれるようなチューンドsu-1でした。

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K様ご感想をいただきありがとうございます。


当店は良い素材を選んで、その素材に対する電源を極限まで改善することで、素材そのものの音を再生できるようにするチューンを実施しています。素材本来の音を出すためのチューンですので音色を変えたり周波数特性をいじったりするものではありません。全ては電源の改善だけです。PC電源から供給される間欠ノイズだらけの電源を[USB-PD FixCurrent+CPM]で途切れのないフラットな電源に改善し、本体内部に実施している細密チューンも全ては個々の部品に供給される電源の改善です。長年レコードやCDを楽しんでこられたお客様がTuned SU-1の音を聴いて「デジタルはもうこれで良いかな」とご満足されておられる声も何度か聞いております。


現在市場に出ている製品はメーカが供給している優秀な部品を半分も使い切れていません。せっかく優秀な部品を使いながら劣悪な電源と組み合わせたり、単なるACアダプタでの駆動を前提としているなど、低コストを狙っているからなんでしょうけど、そのやり方は私に言わせ得ると部品メーカーに失礼です。優秀な部品を使っていても劣悪な電源で構成したオーディオ製品は絶対にまともな音がしません。


ぜひ皆様も、電源を改善することで製品本来の音をお楽しみください。

当店では個別に機器のチューニングもお受けしています。また、次のような試聴用貸出セットも用意しております。


当店の製品は次の1〜9までの一式を2週間までの期限で試聴用貸し出しも致しますのでメールにてお問い合わせください。

宛先:info@practsoundsystem.jp 


1,ss120kit (エンハンスオプション含む)本体     - 1 - 

2,IEC規格電源コード.    -1-

3,USB-DAC(SU-1 Tune済み品: コンデンサチューン含む) - 1 -

4,USB-PD FixCurrent+CPMsp.     - 1 -

5,ss120とDACを繋ぐSPC-AV RCAケーブル. - 50cmペア-

6,お客様のスマホの仕様に合わせて下記のいずれかを1点

 Lightning to USB-A  adapter. - 1 - iPhone接続用

    MicroUSB to USB-A adapter - 1 - Android 接続用 

        USB-A to USB-C adapter. - 1 - スマホ 接続用

7,ACアダプタ 5V品

8,SPMD-10付き、SPC-AVスピーカーケーブル – 2mペア-

9,SPC-AVスピーカーケーブル – 2mペア-


埼玉のK様も貸出キットをお聞きになられてからss600Dspを含む当店のフルセットをご購入になられました。


ぜひ皆様も本物の音をお楽しみください。


P.S. ところでSU-1は幾らなんだ?との問い合わせがありました。


単品では最高の音にはなりません。

USB-PD FixCurrent+CPM との併用が必須です。

当店フルチューンのSU-1 : 54,000円

USB-PD FixCurrent+CPM : 30,000円

 

よろしくお願いいたします。