SPC-AV とバイアンプ(訂正) ― 2025-06-16
SPC-AVとバイアンプ 配線方法の注意点(訂正)
私はリスニング装置本体のアンプにはss600Dを使っており、作業机の試験用アンプとしてはss120を使っている。いずれもSPMD-6F、SPMD-10FとSPC-AVを組み合わせて倍音の美しい臨場感を得ている。
今後随時、SPMDxxxという一連の素子を「卵」、SPC-AVというケーブルも含めた位相ノイズキャンセルシステムを「卵システム」と書く。
先週土曜日朝に思い立って久しぶりにバイ・アンプを試してみたくなった。ブリロンの配線を高音側、低音側でわけて上をss120、下をss600Dに接続してその臨場感を確認した。そうしたら何故かいつもの臨場感が出ない?? あれ、と思ったが土・日はお客様の機器のチューニング作業があったためあまり真剣に取り組まずにBGM程度に流していた。「そのうち改善されてくるか」などと安易に考えていた。
日曜日の午後、お客様の装置が完成していざ本格試聴する段になった時に、バイ・アンプ側の臨場感の無さが気になった。おかしい、うちではアンプの内部配線もケーブルもSPC-AV+SPMDにしてあるので確実に効果があるはずなのが。。。。
そこでやっと気がついた。SPC-AVの長さが高音側は2Mペア、低音側は3Mペアで繋いでいたのだ。失敗であった。以前ラダーケーブルでバイ・アンプをやった時はこのような長さの差があってもそれなりに改善されていたから忘れていた。SPC-AVとSPMDを組み合わせて倍音再生ができるようになった現在は第二世代電源とラダーだけしかなかったあの頃と比べて臨場感の質が違う。時間軸情報を再生する範囲と精度が格段に向上していることを忘れていたのである。倍音を再生して上質な臨場感を得るには時間軸情報はものすごく大切である。それは実音ではなく倍音部分にこそ含まれる。
気がついてからバイ・アンプをやめてss600Dシングル・アンプに戻した。やはりこの臨場感は間違いがない。ss600Dはこのところずっと3mペアの卵システムでブリロンと繋いでいた。
このことはSPMDを入れたアンプでSPC-AVを使う場合には、その長さを揃える事に気をつけなければならないとはっきり示している。
当店のSPMDと組み合わせたSPC-AVの音は時間軸を正確に再生するから倍音が美しく再生される。たとえソロの楽器演奏であっても、会場内の音の伝わりまでをも再生するのでその臨場感はまさに凄い。その凄さを得るには、例えばバイ・アンプにする場合は上・下のSPC-AVの長さは同じにすべきである。またアンプとスピーカーの配置でアンプをどちらか片側に寄せて設置しなければならない場合などでも、できれば左右のSPC-AVの長さは同じにしておかないと、倍音の再生できるエリアがかなり制限されてしまう、ということである。SPC-AVを使う際の注意点として挙げておく。
また、SPC-AVには厳密な方向性があることにも注意が必要である。必ず上流から下流に向かう方向で接続しないと音がスポイルされる。
6月18日(水)補足と追記
16日家に帰ってから同じスピーカーケーブル長でのバイ・アンプを試してみた。
やはりしっかり卵システムの効果が出る。素晴らしい臨場感。しかしシングル・アンプでの卵システムと比べてどうなんだ?。
実際のところあまり差を感じない。どちらも眼前に素晴らしいステージが広がることには変わりない。バイ・アンプにしたからと言ってさらに立体的になるかというと、、微妙かなぁ。。
システムをバイ・アンプにするには第二世代電源でフルチューンしたプリアンプを入れて、ラダー以上のラインケーブル2セットで上・下のアンプに繋ぐ。音量はプリのボリュームで調整する。もちろんパワーアンプも2台必要で、しかもそれは同一機種でどちらも第二世代電源でフルチューンして揃えておかなければならない。SPMD-10FのついたSPC-AVも2セット必要だ。そういう手間と機材をかけてやるわけだが、それをやり遂げても気持的に以前ほどの充実感が無い。卵システムが入ったシングル構成の臨場感と大差ないのである。
卵が入る事でスピーカーへの信号が精度高く入るようになり、アンプ2台による分担の効果というものが薄れたと言えるのかも知れない。
アンプが2台になることでどうしても接点やコネクタが増え、それらをすべて同等以上の品質に保たなければならないのでより構成管理の手間が増す。少しでも特性に差があったりコネクタの接触不良があったりすると臨場感に影響する。むしろそちらの気遣いの方が精神的な負担になる。
つまり、シングル・アンプですでに大きなメリットを得ているのにわざわざ分けて接点や誤差が入る可能性を増やす意味がない、とすら感じる。それほどに卵システムの効果は大きい。
卵システム無しのバイ・アンプですでに安定した臨場感を得ている方は、卵システムを入れるからと言ってわざわざシングル・アンプに戻す必要などないが、当店では常にはシングル・アンプで様々な機器を繋いだり試験したりしているので、それに手間をかけてバイ・アンプにすることに以前ほどのメリットは感じない。
シンプルなスピーカーを第二世代電源を搭載してSPMD-6Fを内蔵したウチのアンプ1台で駆動し、SPMD-10Fを付けたSPC-AVで繋いで鳴らす。それが精神的にも楽でかつベストな構成。スピーカーやオーディオシステムという概念を超えて、演奏家のステージ世界の再現となる。
SPMD-6Fはアンプ内部においてプラス・マイナス個別に小卵を入れるもので、抜群の効果がある。それに加えてスピーカラインにおいてもSPMD-10Fを左右それぞれに入れてやることでよりステージ世界が近くなる。
これまで世の中に無かった臨場感に包まれて音楽が楽しめる。至高の癒し。
SPMD(卵)はどんなスピーカーなら効くのか? ― 2025-06-10
SPMD(卵)はどんなスピーカーなら効果が出るのか、という問い合わせをいただいている。
大前提として、
欠損のない電流で駆動された増幅システムであることが最低限の条件である。
つまり。。
A)家庭用であれば出川式電源でDAC、プリ、メインがドライブされていること。
家庭でもオーディオ電源をバッテリーにしてる人がいるらしいがそれもOK
B)カーオーディオは点火系ノイズを対策した直流でドライブできていること。
C)スマホであれば、多分OK。バッテリー駆動なので一番簡単に効果を得やすい。
下のスマホのところに詳しく説明する。
これらの条件が揃ったところで、次にスピーカシステムであるが以下A) B) C)それぞれのケースで説明する。
A)家庭用なら============================
①フルレンジ・シングルコーンなら必ず効果が出る。バックロードホーンを含む。
スピーカー自作愛好者には朗報。
②2ウエイの場合、上下をコンデンサだけのネットワークで分けてあれば効果が出る。(店主のブリロン1.0SLEなど)
コイルが入っていてもそれが1mH以下など十分に小さければ可能性があるが、
その場合は効果の度合いが小さい。( 店主のNS-3Mxなど)
③3ウェイ以上のマルチユニットの場合
マルチユニットの場合は内蔵ネットワークにコイルが使われていることが多いと
思われるのでそのままではおそらく効果は出ない。
デジタルチャンデバで分けてマルチアンプ構成にし、各スピーカーをそれぞれ
パワーアンプと一対一で接続している場合は効果がある。
④効果が確認されている一般市販品のスピーカー
1)B&W ノーチラス801
2)ダリ・オプティコン6
3)AudioPhysic ブリロン1.0SLE
4)ALTEC サンタナ
5)Fostex20cm フルレンジ など
その他
6)PSD T4 Limited Special(ネットワークレス・カスタム品)
=>要は、よりシンプルな構成のスピーカーシステムほど効果が出る可能性が高い。ネットワークに凝ったものは良くない。ネットワークレスがベスト。
B)カーオディオなら============================
マルチスピーカをコイルネットワークで分けている場合は効果無し。
コイルを介さずにアンプとスピーカーが直接接続されていれば効果がある。
C)スマホなら=================================
有線接続ヘッドホンで音を聞く場合はヘッドホンまでの線に卵を入れれば効果がある。
ブルーツース接続でも一部のBTヘッドホンの様にアンプ部とイヤホンが有線接続
されている場合は効果大。 (写真は私のWI-1000XM2)
Appleイヤーポッドのようにワイヤレスの場合は卵を入れられないので効果なし。
ケーブルの見直し ― 2025-06-03
正直に書く。
第二世代電源で音楽を楽しんでいた時にはラダーケーブルで十分と思っていた。
そのためラインケーブル、内部配線、スピーカーケーブルに至るまで全てをラダーケーブルで統一していた。
昨年末から今年にかけて位相ノイズキャンセル素子の開発を行なった。当初はラダーこそベストと考えていた。ところが、超長分子圧延ともいうべき鍛造方法にて作られたTripleCのSPC-AVの音を聞いてびっくりした。卵を実装したアンプの音はもっともっと膨大な情報量を抱えていたんだということがわかった。
卵の効果は余韻や倍音として聞こえる高音域の改善だけではない。重低音から最高音域に至るまでの全ての領域で解像度が急上昇し、その情報量たるや凄まじい。ラダーではこれに対応しきれていないことが判明した。
SPC-AVは巷では「解像度は高いが低音が出ない」と言われているケーブルである。しかしそんなことはない、逆起電圧をキャンセルし、極限まで情報量を向上させたアンプの音は、このケーブルを通すと全ての音域をたっぷり豊かに、かつ正確に再生してくれる。
これに気がついてから、DACからアンプまでのラインケーブル、アンプ内部の入力線、出力線、アンプからでたスピーカケーブルを全てSPC-AVにした。
抜群の抱擁感。抜群の低域のメリ・ハリを伴って、ベースと、ドラムのすべての太鼓が明瞭に見える。バイオリンの音はどこまでも悩ましく滑らかに伸びる。いいや全ての楽器の音が聞こえて目に見える。激しいドラムも悩ましいヴォーカルも余すところなく。。
この包まれ感は全く初めての経験。
卵の効果が出ない(出せない)スピーカーシステムがあるように、ケーブルにもその情報量を抱えきれないという現象が出ることがよくわかった。
卵を入れてこのような環境を得るには、第二世代電源でドライブされたレスポンスの良いアンプと、スピーカーは単発シングルか、Lの入ってないネットワークで上下を分けただけのシンプルな2ウェイがベスト。そしてスピーカーケーブルは重厚長大な高級ケーブルではなく、1000円/mのSPC-AVがベスト。
これが現時点の当店のベスト構成
音はどんどん進化している。
既存技術に固執しているオーディオメーカさんには絶対にできない進化です。
ホーム・ページの更新が間に合ってませんがSPC-AVはアコリバさんで税別990円/mで販売されています。当店では税込1000円/mで販売してます。5m以上なら送料無料ですのでお得です。
また、当店のss120貸し出しセットのss120本体内部配線はSPC-AVに交換済みです。さらに、貸出セットに含まれるラインケーブルと卵付きスピーカーケーブルももちろんSPC-AV です。
以下はss120のお客様で、SPMD-6Fを内蔵してから内部配線を全てSPC-AVに替えた時のご感想(店主の高校の同級生)
*音の透明感が増して音の輪郭と立体的配置がより分かるようになってる。ベースがしっかり聴こえるからサブウーファーなんかさらに要らないと感じる(^^ゞ。「只音楽だけが其処に浮かんでいる感じ」が更に際立った。ビブラフォンや八神純子の透明度が素晴らしい。明日はツェッペリン聴いてみるよ(^^ゞ。
このあと追加で、スピーカーケーブルもご注文いただきました。
倍音再生という選択肢 その2 ― 2025-06-01
例としてTANNOY KENSINGTON GR
十分に高級・高額なスピーカーですが、このスピーカでは正しい倍音を再生することはできません。
通常の楽器の基音の周波数は次のとおりです。
【1】オーケストラ楽器の基音(実音)の周波数範囲
楽器群 基音周波数の範囲(おおよそ)
コントラバス・チューバ 約 40 Hz ~ 250 Hz
チェロ・ファゴット 約 60 Hz ~ 500 Hz
ヴィオラ・ホルン 約 130 Hz ~ 700 Hz
ヴァイオリン・クラリネット・フルート 約 200 Hz ~ 2,500 Hz
ピッコロ 約 500 Hz ~ 4,000 Hz
倍音とは楽器それぞれの基音の精数倍で広がる音紋をいいますが、特に臨場感とリアリティを構成しているのは5000Hzから14000Hz ほどの周波数までです。これらの高い周波数が会場の空気感や録音スタジオの雰囲気情報を含んでいます。
しかしながら一般にスピーカに5000Hz以上の音楽信号を送るとスピーカー自体の自己インダクタンスによる位相ノイズにより正しい倍音信号となはならずに歪められて届いていることは当店のブログにも書いています
(https://practnaga.asablo.jp/blog/2025/04/16/)
スピーカーをネットワックで分ける場合はデジタルチャンネルディバイダで切ってからそれぞれをパワーアンプに通してやればそれぞれのスピーカーラインに卵をいれることで倍音再生も可能ですが、KENSINGTONの場合はコーンとボイスコイルが二重になっていて、それらを分けるパッシブ・ネットワークを最初から内蔵していて、そこにコイルが入っているので無理なのです。
TANNOY KENSINGTONも音の良いスピーカーであることは知られています。
それですら、倍音を正しく再生できないのですから、いかに倍音というものがこれまでおろそかにされてきたかがわかろうというものです。
例えばシングルコーンのスピーカーや、たとえ2way であってもコンデンサと抵抗だけでわけられているもの(当店のBrilon1.0SLEもそう)だったら間違いなく卵をいれることで正しい倍音の再生が可能です。
それができるとリアリティ溢れる音に包まれる臨場感を体験できます。
DAC+AMP+卵付きSPケーブルをお貸しします。
お問い合わせください。
倍音再生という選択肢 ― 2025-05-27
当店で第二世代電源を入れさせていただいたアンプや、当店製のssシリーズのアンプを使っておられるお客様に、倍音再生可能となる黒の卵や金の卵の試聴をお願いすると、今のところ必ずご注文いただけています。
これまで倍音って、普通電源のアンプでは「ほぼ」再生されてきませんでした。ですからその音が実際にはどんなものか皆さん知らないのです。初めは皆さん第二世代電源だけで満足していて「余韻が十分にで出てるからもういい」とお考えなのでしょうけど、卵を入れて本当の倍音が体を包む経験をなさるとびっくりなさる。そして二度とその音を忘れられなくなる。第二世代電源と卵の組み合わせは、それほどに人を魅了するのです。
ご試聴なさった皆様が「倍音って、こういう音のことだったのか。知らなかった」と驚かれてます。そして「素晴らしい!」と喜びの声が聞かれます。
これが新世代のオーディオの音です。
(この音は今のところ世界中探しても当店と出川先生のところにしかありません)
当店のss120試聴用セットには今後、黒の卵つきのSPC-AVケーブル(ラダーではありません)も付属します。この世界一の音をぜひお試しください。
* 当初はラダーケーブルを予定していました。ラダーは無色透明な音で良いのですが、情報量としてはSPC-AVに軍配が上がります。倍音再生はぜひ十分な情報量のあるケーブルで楽しんで下さい。SPC-AV は低音が出ないという評価もありますが、それはアンプの情報量が足りないのと十分にアンプの信号で駆動できていないことに起因しています。
ss120+黒卵の組み合わせにはSPC-AVの高い解像度と情報量が適しています。
低音の解像度も劇的に改善します。空間のリアル感も抜群です。高音の伸びも魅惑的です。
そしてこのセットは倍音と余韻を再生できる、最もコスパの良い再生システムです。
またこのセットにはスピーカーを含んでいませんが、スピーカーは特別高級なものでなくて大丈夫です。倍音や余韻をスピーカーにキチンと送るのはアンプです。それはss120と卵の役目なのです。ss120と卵を主とするとスピーカーは従のユニットになりますので、オーディオ用とされているものであれば十分です。まずはお手持ちのスピーカーと組み合わせて、その音がどれだけ変わるかお試しください。
この素晴らしい音の環境を丸ごと10日間お貸しします。ぜひお試しください。
ss120試聴用セット構成(2025/05/28版)
1. ss120kit 本体 - 1 -
2. IEC規格電源コード. -1-
3. USB-DAC(Tune済み品: USB cable付属) - 1 -
4. USB-PD FixCurrent+CPMsp. - 1 - パソコン接続用
5. ss120とDACを繋ぐラダーRCAケーブル. - 1ペア-
6. Lightning to USB-A adapter. - 1 - iPhone接続用
7. MicroUSB to USB-A adapter - 1 - Android 接続用
8. USB-C to USB-A adapter. - 1 - Android/iPhone/iPad 接続用
9. ss120とスピーカーを繋ぐSPC-MD10F付きケーブル. - 2m・1ペア-
スピーカーケーブルには両端にバナナプラグが付いていますが、スピーカー側が不明なため「バナナ=>剥き線アダプタ」を付属します。
お問い合わせは下記へ
info@practsoundsystem.jp
090-3452-0279 岡本
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