SUー1チューニング加算2026-04-17

SU-1チューニング加算


先日終わらせたX-DP10のチューング。最後の「DACチップチューニング」までやってやっと満足できる音になった。ES9028Q2Mは音としては明るめで少し荒い音と言われているが、電源を浄化してコンデンサ・チューンをやることでここまで良い音になるとは、実はあまり思っていなかった。それよりもAK4493EQというベルベットサウンドのDACを持つSU-1の方がもっといい音がしていいはずだと思う。


SU-1のチューニングでもDACチップにLCM、CPMは入れているが、コンデンサ・チューニングはしていない。やればいいのかも知れないが、あの小さな筐体に無理にLCM、CPMを入れてあるのでこれ以上は入れる隙間がないとも思ってあれ以上のチューニングは諦めていた。


しかし今日、思い立ってケースを開けてみた。コンデンサを追加したいのはDACのアナログ電源に入っている電解コンデンサである。X-DP10のように4個のコンデンサを追加するなど狭くてできないが、2個ぐらいまでであればCPMを取り付けた箇所に追加で取り付けられそうでもあった。アナログ回路はセラミックコンデンサだけでは音が固くなる。適度にフィルムコンデンサとかシルバーマイカなどをパラにした方が柔らかで高級な音になる。


当店で扱っているERO(独:エレクトロ・レーダーシュタイン)のフィルムコンデンサは音楽的効果は高いがこのDACに入れるにはサイズが大きくてとても入らない。だが、実は昔手に入れた小型のメタライズド・ポリ・フィルムコンデンサがあるのでこれを使ってみることとした。

つまり追加するのは村田製作所の10uFとMPFCの33nfである。これら2個の足を絡めてパラにして1個にまとめてから足の形を調整して狭いところを狙って半田付けした。


これが完成した状態。青と茶のコンデンサが抱き合わせて左右に1組ずつあるのがわかると思う。

SUー1Cap追加


これまでは若干最高音域のキラキラ感があったんだが、今回のコンデンサ追加で中高音域の音に芯が出て全体に厚みが深くなりキラキラ感がなくなった。これで本当に良い音になった。こんな小さなDACで十分な重厚感が出てる。

このDACは机の下のMacMiniに繋いでいて、机の脇のss120を経由して机の両脇においている小型モニタースピーカーで流しているが、メインシステムにも劣らない音となった。もちろんUSB接続にはUSB-PD FixCurrent+CPMは必須である。


<ご注意>

このところ紹介しているDACチップへの細密チューンは『回路を知った上で、はんだの特性やコテ温度などの半田付けの要領(コツ)も理解している人』しかやってはいけない。最悪DACの心臓部を壊してしまうことになる。やる時は「壊しても良い装置」で何度か半田付けの練習をすることを強く勧める。私も26年この店を続けているが、自分の機器は何台か壊しているしそれも授業料と思っている。

それと、こうしてチューニングした機器を「試聴用に貸してくれ」という方もおられるがそれははっきりお断りしている。X-DP10チューニングの写真を見ていただくとわかると思うが、ボッテリと不自然にコンデンサを追加した基板が輸送中の長時間の振動に耐えられるとも思えない。貸出先で聞こうとしたら故障していた、では双方にとって不幸である。自分用はのものは一切移動への配慮はしていない。逆に製品版はそういうところにも気を使って作らねばならないから手間がかかるし、実装できないこともある。


この最高水準のチューニング機器の音を聴いてみたい方は当店の作業部屋(試聴室ではない)まで聴きに来てほしい。突然は困るが、前もってメールをいただければ調整は可能である。


X-DP10:DACチップの細密チューン2026-04-15

DACチップの細密チューン


先日のブログでAVCC_R とAVCC_L(DACチップのアナログ電源)がアナログ基板からきていることは書いた。それでそこにLCMを入れて改善されたのであったが、まだやはり私のマスターDACに比べて落ち着きというか重厚感かな、何かが足りない。


どこが不足かと振り替えってみた。


アナログ回路の元電源を出川式にして、その給電回路にLCMやCPMを入れ、アナログ回路にある再生で使用するオペアンプには全て細密チューンを入れ、さらにはIV変換用のオペアンプは MUSE02に交換もした。そうやってアナログ基板の回路はこれ以上ないくらいにチューニングしてある。


デジタル基板に入って昨日にはDACチップのアナログ回路の改善をした。それでも音が良くなったのだが、今日まで聞いて結局それでもまだダメ。。これはDACチップそのものの差かと思い始めた時、DACのチップ周りの回路を調べていてもう1箇所アナログ回路から電源が送られている回路があった。調べたらDVDD(内蔵クロックとPLLの電源)であった。これって、DACチップを動かす心臓部の電源だよな、ここも改善しなければ、ということで取り掛かった。


まずAVCCと同じように、アナログ基板上の電源ラインにLCMをとりつけて電流を清浄化した。次に、ここは内部クロックという激しい振動を補償する電源だから、電流量は微少だけどそれだけに荒れやすく高い周波数まで電流を供給しなければならない場所にも関わらず既設では47uFの電解コンデンサしか入っていない。これではクロックの高周波は補えない。そこで高周波を補強する3種のコンデンサの出番。すべて村田製作所製セラミックコンデンサで、10uF,1uF,0.1uFをパラにして取り付けた。これでクロック波形は整い時間軸を含めて改善されるはず。


またその時、せっかく分解したのでアナログ回路のさらなる改善も同じ思想でコンデンサをパラればもしかしたらできるのではないか、との思いから10uF,1uFのセラミックコンデンサとフィルムコンデンサ(以前、SteinMusicからもらっていたもの)1nfと22nfの4個をパラに取り付けた。ダメだったら外せばいいだけなのでまずはやってみた。

その写真が次の通り。

DAC周辺の状態


ESSと書かれたDACチップを囲んで写真下、左側がDVDDの電解コンにパラにした3種のセラミックコンデンサ。その右側の上・下でDACチップを挟んでいるのがセラコン2個とフィルムコン2個をパラったAVCCの右・左。緑色のコンデンサがHolger Steinから昔もらっていたもので『音が良くなるから電源に入れろ』と言われていたもの。小型とはいえ4個もパラるとボッテリとかなりのボリュームになってしまった。

DACチップのすぐ右側がアナログ基板とのコネクタである。このDACが電源をアナログ基板から取って来ているところは評価されるべきところなのだが、なにぶんレギュレータ回路から最遠の末端でデジタル基板に繋がっているため、ここのアナログ電源はかなり荒れていると思っていい。だからここからDACに給電している3つの電源を清浄化してさらにコンデンサでチューニングすることで音はさらに改善されることが予想された。


聴いてみて納得。また音のランクが一段上がった感じがある。最高音にややキラキラ感があったものがすっかり消えて落ち着きと静けさと重厚感が増した。一聴してわかる違いである。いつまでも聴いていたい音。これなら作業中のBGMとして十分に楽しめる。やっとこさメインダックと入れ替えられるかな。。`



お客様からのご感想2026-04-14

お客様からのご感想


1月に、東京の三箇山様という方から、当店に一度来たいというメールをいただいた。その時「当店には試聴室はない」と返事したのだが「自分のアンプを自分で良い音にしたい、そのためのアドバイスがほしい」とアンプを持参するとのこと。もともと当店は自作する方のお手伝いがしたくてCDメカを輸入してのキット販売から始めた店なので「自作」を前に出されるとお断りすることができない。


で、狭い6畳の私の作業部屋においでになられたのが2月の始め。話をすれば実に前向きな方で、楽しく会話させていただいた。その後CPMとLCMを当店からお求めいただき、何度か作業経過のやり取りをしながらトライされたがうまくいかず、作業途中のアンプを持って再度いらしたのが先週末。


その時、当店の音についての感想を書いて欲しいとお願いして送っていただいたのが次の感想文。ご本人の了解を得ているので原文のまま紹介させていただく。


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岡本さんのシステムは、記憶に残る。


今まで色々なオーディオシステムを聴いてきたけれど、あの音は種類が違う。最初に聴いたとき、ヘッドフォンのような頭内定位に近い感覚があった。もちろんヘッドフォンではない。スピーカーから音が出ているのに、音が完全に空間に浮いている。全くぶれてない。すごくハッキリと浮いている。


他のシステムで定位が出ているものを聴いたことはあるけれど、それとはステージの違う何かな気がする。方向だけではなくて、完全に奥行きもピタッと合っていて、実在感がすごい。


話を聞くと、理由はある程度わかる。小口径スピーカーのニアフィールドで直接音中心の構成。クロックと電源への徹底したこだわり。出川先生のSPMD。結果として位相情報の精度が高く、ノイズが極端に低く、レンジが広い。そういった要素が積み重なって、あの音が生まれているのだろうと頭では理解できる。でも、それだけでは説明しきれない何かが、あの音にはある気がしてならない。何度聴いても、言葉にしようとすると最後に余白が残る。

まだ自分には勉強が足りていない、本物の実装能力というか、凄みがある。


以前、自分のシステムでアンプの改造をして行き詰まっていたことがあった。あれこれ試して解決の糸口が見えなかったのを、岡本さんのところに持ち込んだらあっさり解決してしまった。知識と経験の蓄積が違う。


一度みんな行った方がいいと思う。結構くらうから。 

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なんか、読んでてすごく楽しい文章。

「ここの音は異次元の音だ」が口癖の彼。

お若い方の言葉遣いもなかなかユニーク。


うちの作業部屋は狭いからニアフィールドにならざるを得ない。でもねニアフィールドで立体感の出ないシステムでは広いところで鳴らしたらもっと出ない。ここで鳴らしているss600Dspというアンプはホールで鳴らしてもあり余るくらいの立体感の出せるアンプ。それをこの部屋で聴くから一聴してヘッドホンで聴いているような感覚にもなる、のかな。


私はBGMとしていつも普通に聴いているんだけど、この音が初めての人には不思議な感じになるんだろうね。


いずれにしても三箇山様、貴重なご感想をありがとうございました。


X-DP10フルチューン完了2026-04-12

X-DP10フルチューン完了       2026-04-13追記


まず、アナログ回路へのLCM取り付けを確実に処理して完了させた。その後アナログ回路の残りの部分、つまりDACとのインターフェース回路に取り掛かった。内容は、DAC直後の信号レベル変換をやっている5532DDに細密チューンを入れて、その後ろにあるIV変換のOPA2134を私の好きなMUSE02に交換してから細密チューンを入れた。デジタル系にも出川式電源を入れて立ち上がりと密度を改善した。


デジタル電源出川式


ここで一旦試聴したが、余韻がますます深く豊かになり、抱擁される臨場感も高い。


一応このままでももう良いかな、とは思ったのだが、実はまだ最後にDAC周りの細密チューンが残っている。


DACチップ周りのどこにCPMとLCMを入れるか、相手は3.3V系のチップで極小の32ピンQFNパッケージの製品である。DACチップそのものは5mm角の大きさしかなく、虫眼鏡をつけての作業になる。まだ回路トレースは一部しかしていなかったので今日改めてトレースしてみた。ターゲットの回路はチップ上の[AVCC_R]と[AVCC_L] であり、左右chのアナログ回路電源(3.3V)である。それがちゃんと左右別に給電されていることから、やはり丁寧な造りのDACであることがわかる。安いDACは左右別給電になってないしもっと安いとデジタル給電も一緒だったりする。


[AVCC]の直近の給電バッファとしてのコンデンサはすぐにわかったのだが部品と配線が密集していてなかなか元電源を見つけられなかった。最終的に見つけたのは隣のアナログ回路基板に乗ってるオペアンプがバッファとなって供給しているということであった。

調査した結果は次の図の通り


デジタル回路分析


よって、ミニLCMはアナログ基板側の電源回路のパターンを切断してそこに入れた。CPMは直近のコンデンサにパラにつけるのが良いのだが、本当にこの基板は狭いしミニとは言えCPMは大きい。流れる電流も微少なのでコンデンサの反作用は少ないと見込んで今回は諦めた。これ以上攻めると壊しかねない。。


さて、DACチップアナログ給電へのLCM取り付けを終えて再組立を実施、今日何度目かの試聴をしている。その結果、やはりDACのアナログ給電が安定した効果は大きく、

音が落ち着いてすごく静かになって、その上輪郭がしっかり具体的になってリアリティ抜群。臨場感も最高。これは音を聞き始めたら止められない。X-DP10はデジタルボリュームを内蔵しているので、そのままss600Dに繋いで聞いているが惹かれすぎて中毒性の高い音だ。手前味噌だが。


この状態でしばらく聞いて、本当に満足する音なら我が家のマスターシステムに組み込んで、DACの代替わりだ。



<4月13日追記>

良い音で聞き惚れていたのだ。やはりオーディオは電源が全てだ、と心から思う。しかしそれで今一度昨日やった改善を考えてみたら、まだやることがあるような気がしてきた。


DACチップのアナログ回路の電源(AVCC)が隣のアナログ基板にあるオペアンプであることは書いたが、そのオペアンプはボルテージフォロワの構成になっているのでそのままDACチップのアナログ電源を安定化させる働きをしている。となると、ここに使われているJRC4560Dという遅いオペアンプでいいのだろうか、という懸念である。


X-DP10には音を決めるIV変換回路がDAC直後とデジタルボリューム直後の2箇所あり、そこにはMUSE02を奢ってあってそれなりに改善されているが、こと心臓部のDACチップのアナログ回路電源にこんな遅い素子で給電されていたら折角のDACの性能がスポイルされてはいないだろうか。いや、このままでも十分に良い音ではあるのだし、いつまでも聞き続けていたい音ではあるのだが、もしかしたらさらに良くなる可能性があるのではないかと・・そう思うとやって見たくなるのが良くも悪くも私の性分である。かつてSU-1の細密チューンもそうやってトライして見つけたものだ。


良い音で鳴ってくれていたDACを渋々ながら止めて再度分解。基板を外してJRC4560を外してCPMを背負わせた MUSE02を代わりに載せた。組み上げて電源を入れたら。。。


激変した。中高音域の音の粒立ちと定位がよりしっかりして音全体もさらにおちついて重厚感を増した。全体的に静かになった。暗闇の中に音がくっきり浮かび上がる感じ。全域の音密度が高くなり、ますます中毒性のある音になった。


SU-1の時も効いたが、やはりDACチップの電源をできる限り高レスポンスに改善してやることは大事だ。



X-DP10 アナログ回路のチューン途中試聴2026-04-11

X-DP10 チューニング途中試聴


デジタルボリュームのIV変換とバッファのオペアンプに細密チューンを加えて、アナログ回路全般の出川式電源への実装を終えた。

Analog電源出川式化

上の写真がアナログ回路への出川式電源の搭載。手持ちの部品を使い、空きエリアに設置。電流は1A未満なので配線は細くて大丈夫。手持ちの部品を使った。


デジタルボリュームのIVとバッファへの細密チューン

DIgitalVolumeBuffre細密チューン

IV用オペアンプにはOPA2604が使われていたが、これをMUSE02に交換してからその後ろのバッファ段を含めてオペアンプ3個にミニCPMを背負わせた。


まだLCMは入れていない。LCMは電源回路を一旦切らねばならないのでCPMに比べてはるかに作業難易度が高い。特に今回の様に薄型稠密構造をした筐体の場合は実装スペースを見つけて作り出すことを含めてかなりの困難を伴う。取り付け位置によってはトラブルを起こすこともこの作業でが多いので、とりあえずその前に一旦動作確認である。


その音だが。。

先日作ったクロックを入れて定位と臨場感は改善されていたが、それに加えて余韻が加わった。それがとってつけたような余韻ではなく自然でとても気持ちの良い余韻である。やはり、柔らかく暖かく音の環境に包まれるためには出川式電源は必須である。


試聴ではずっとダイアナ・クラールのライブラリをランダムに流しているんだが・・・ただ一つ困ったことが。。


私のダイアナ・クラールのライブラリィにはCD品質のほかに96KHz も含まれていて、その度にセレクタで同期周波数を指定してやらねばならないのは流石に面倒だ・・・


まぁBGM程度に流す時はBios経由にしておいて出力サンプリングレートを48Kか96KHzにでも固定しておけばいいだろうということでまずはこのままで良しとする。