久しぶりの管球アンプ・チューニング ― 2024-11-04
当店の古いお客様から預かった「Regina」と言う名の管球プリアンプ。名人の手作りによるアンプで世の中に50台もないのだとか。かつては東京中のジャズ喫茶で名機と珍重されたとのこと。Regina(リジャイナ)はカナダの中央部サスカチュワン州の州都。作者がこの都市とゆかりのある人かどうかは知らないが、私の最初のカナダ出張はこの州の片田舎であったため都会であるReginaには何度か遊びに行ったものだった。ま、関係ないけど。
球を暖めて音を聴いてみたが、思った通り伸びやかさも余韻もない普通の音
(ごめんさない)
球を暖めて音を聴いてみたが、思った通り伸びやかさも余韻もない普通の音
(ごめんさない)

左側にアンプユニットと入出力関係、右側にB電源とA電源と言う配置。
B電源は5Y3で整流してチョークを介したコンデンサ電源。
A電源は半導体ブリッジを使った整流回路で電源ユニットの側面に貼り付けてある状態。
B電源もA電源も固定抵抗を使って出力電圧を調整している方式。これだと、第二世代に交換すると電圧がかわっちゃう(上がる)のでどちらも調整が必要なはず。
ではまずB電源から。。
回路を追ってみたら、米国製のコンビネーションコンデンサなどという変わったコンデンサがついていた。
B電源は5Y3で整流してチョークを介したコンデンサ電源。
A電源は半導体ブリッジを使った整流回路で電源ユニットの側面に貼り付けてある状態。
B電源もA電源も固定抵抗を使って出力電圧を調整している方式。これだと、第二世代に交換すると電圧がかわっちゃう(上がる)のでどちらも調整が必要なはず。
ではまずB電源から。。
回路を追ってみたら、米国製のコンビネーションコンデンサなどという変わったコンデンサがついていた。

この写真はB電源の改造途中の電源ユニット裏側を写したもの。
真空管ソケットの#5から補助コンデンサ (100uF/400V)を繋ぎ終えたところ。右下に見えているのが例のコンビネーションコンデンサ。この中に3本のコンデンサがはいっていて、本体底にあるマークでそれぞれの電圧を示している(半円型、四角、三角)。これ1本で球アンプのB電源が完成するという優れもの。で、旧回路は次の通り(クリックして拡大)
真空管ソケットの#5から補助コンデンサ (100uF/400V)を繋ぎ終えたところ。右下に見えているのが例のコンビネーションコンデンサ。この中に3本のコンデンサがはいっていて、本体底にあるマークでそれぞれの電圧を示している(半円型、四角、三角)。これ1本で球アンプのB電源が完成するという優れもの。で、旧回路は次の通り(クリックして拡大)
この回路を次の図の回路に変更するわけである(クリックして拡大)
整流管の5Y3はまるっとSTC24A90U2に交換する。補助コンデンサは100uF/400V。
チョークを出てからLC-6010Hと最後のコンデンサにパラにCP-3032HCspをいれる。チョークにはリップル分だけを効率よく処理させるために抵抗をパラって分圧してやる。通常はチョークのDCR値の4倍程度の値が適している。これエッセンス。

この写真は5Y3をSTCに交換して電圧チェックをしている際のもの。赤いLEDが可愛いでしょ。いやそんなことより、大事なところは、普通の整流回路を第二世代電源に替えると負荷時出力電圧が上がるという点。第二世代電源の方が交直変換時の電力効率が格段に高いため負荷時直流電圧がかなり高くなる。だから今回のように固定抵抗で電圧調整している回路では図中の 1KΩの抵抗の前後で250V,244Vに設定してあったものが、STCに変えたらそれぞれ271V,266Vにまで上がってしまった。これだと真空管特性がオリジナルと異なってしまうのでLCMの後に抵抗を追加して調整しなければならない。それは普通は電圧をみながら繰り返しトライして決めるのだが、今回は 2KΩの抵抗を入れて無事オリジナルに等しくなった。
完成して音出ししてみて、音の立ち上がり、余韻、これらが激変。確実によくなった。
しかしまだどこか荒い。耳障りが残っている。
次にA電源
A電源は電源ユニットの側面に張り付いた状態で取り付けてある。
完成して音出ししてみて、音の立ち上がり、余韻、これらが激変。確実によくなった。
しかしまだどこか荒い。耳障りが残っている。
次にA電源
A電源は電源ユニットの側面に張り付いた状態で取り付けてある。

この写真はACラインに半田付けされていた電源ランプの配線を外したところを見たもの。
ブリッジ整流素子がねじどめされている。これを外してそのままそのネジを使ってB12A06HV2を乗せて交換する。
6J5のヒータ電圧は6.3Vと規定されているが、今回のA電圧は実測値が12.7Vだった。これは6J5計4本のヒータ回路を2本ずつ直列にしてそれらを並列に繋ぐことで外部から6.3Vx2=12.6Vの電圧で供給できるようにしてあるもの。6.3Vのまま4パラにすることもできるが、こうして2パラでまとめた方が電流が半分ですむのでトランスも楽である。
ブリッジ整流素子がねじどめされている。これを外してそのままそのネジを使ってB12A06HV2を乗せて交換する。
6J5のヒータ電圧は6.3Vと規定されているが、今回のA電圧は実測値が12.7Vだった。これは6J5計4本のヒータ回路を2本ずつ直列にしてそれらを並列に繋ぐことで外部から6.3Vx2=12.6Vの電圧で供給できるようにしてあるもの。6.3Vのまま4パラにすることもできるが、こうして2パラでまとめた方が電流が半分ですむのでトランスも楽である。

ブリッジを外してB12A06HV2を取り付けたところ。放熱用シリコンを塗ってから同じネジ穴に取り付けた。写真では抵抗2本とセメント抵抗が見えている。
このコンデンサが接着剤で貼り付けてあって容量・電圧がみえなかったので、カッターの刃だけを側面との隙間にいれてなんどか切り開いて調べてみた。そうしたらどちらも3300μF/16Vであった。
このコンデンサが接着剤で貼り付けてあって容量・電圧がみえなかったので、カッターの刃だけを側面との隙間にいれてなんどか切り開いて調べてみた。そうしたらどちらも3300μF/16Vであった。

ちょっと驚いたのが、整流後電圧は19V以上あるのに対して16VのSXEが取り付けてあったこと。明らかに過電圧使用である。よくこれまで抜けなかったものだ。何か根拠があってわざわざ種類を変えて16V品を使っているのかもしれないが、私なら恐ろしくて自分の手作り品にこういう使い方はしない。
また、わずか0.6Aほどの電流に3300μFは過大。これも起動時にはトランスの負荷になる。そんなわけで、ここのコンデンサはどちらも交換することにして、第二世代電源の補助コンデンサを含めて見直した。その結果、ラグを含めてまるっと新替えしてしまった。
また、わずか0.6Aほどの電流に3300μFは過大。これも起動時にはトランスの負荷になる。そんなわけで、ここのコンデンサはどちらも交換することにして、第二世代電源の補助コンデンサを含めて見直した。その結果、ラグを含めてまるっと新替えしてしまった。


A電源もB電源と同じく第二世代電源に替えることで負荷側電圧が高くなって(12.8V=>13.1V)しまったが、LCMを追加したら良い具合にドロップして最終的には調整抵抗をいれなくても12.8Vになってくれた。新旧の回路比較は次の通り(クリックして拡大)
左側のアンプ回路には一切手を加えていない。当店のチューニングは右側の電源回路に対するものだけであることがよくわかると思う。だから音色をいじるものではないのである。音の本質を根本から改善するのが当店の第二世代電源チューニングである。

さてこれで試聴すると。
クリアな音、ひとつも歪みぽっさや荒さがありません。滑らかで清らかな音。余韻もさらに豊かに空間のリアリティは最高です。
ちなみに今回の作業の費用は次の通りです。
B電源
品名 員数 単価 小計
STC24A90UVer2 1 22000 22000
CP-3032HCsp 1 4510 4510
LC-6010Hsp 1 5940 5940
コンデンサ400V100μF 1 1100 1100
第二世代電源実装費1回路あたり 1 11000 11000
合計 44550.-
A電源
品名 員数 単価 小計
B12A06HVer2 1 7920 7920
CP3006HCsp 1 3520 3520
LC-6003Hsp 1 5940 5940
コンデンサ 3 220 660
第二世代電源実装費1回路あたり 1 11000 11000
合計 29040.-
総合計 73,590.-
お問い合わせはこちらまでどうぞ
info@practsoundsystem.jp
https://practsoundsystem.jp
以上。
クリアな音、ひとつも歪みぽっさや荒さがありません。滑らかで清らかな音。余韻もさらに豊かに空間のリアリティは最高です。
ちなみに今回の作業の費用は次の通りです。
B電源
品名 員数 単価 小計
STC24A90UVer2 1 22000 22000
CP-3032HCsp 1 4510 4510
LC-6010Hsp 1 5940 5940
コンデンサ400V100μF 1 1100 1100
第二世代電源実装費1回路あたり 1 11000 11000
合計 44550.-
A電源
品名 員数 単価 小計
B12A06HVer2 1 7920 7920
CP3006HCsp 1 3520 3520
LC-6003Hsp 1 5940 5940
コンデンサ 3 220 660
第二世代電源実装費1回路あたり 1 11000 11000
合計 29040.-
総合計 73,590.-
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以上。



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