Edifier MR3というマルチメディア・スピーカー ― 2025-07-20
Eifier MR3というマルチメディア・スピーカー
Youtube等で音が良いと評判のMR3、音が良いといってもどうせ内蔵電源はスイッチング電源であろうなぁと思いながらも、電源の改造をしてどこまで化けるかやってみたくて購入した。Bluetoothで繋がる音の良いマルチメディア・スピーカーが欲しかったということもある。なにしろ価格は密林で1万2千円ほどと非常に安い。
届いて早速BluetoothでiPhoneに繋いでみたが、案の定、ひずみだらけの土管音質。キンキンして想像通り酷いもんだ。 ユーチューバーの方々にはこんな酷い音を闇雲に良い音だなどと喧伝するのはやめて欲しい。そりゃあPC内蔵のスピーカなんかよりは遥かにいいかもしれないが、このスピーカーの実力はそんなものでは無い。スピーカーユニットは未知数だが、アンプ部はデジタルアンプであるので激バケする可能性がある。とにかく現状では電源がダメダメなので土管の中のような歪んだ音しか出ていない。
エージングよりなによりこのままではとても聞くに耐えないと、とにかく内蔵電源を改善するべく中を開けた。
上の写真はリアパネルを外してその裏側を見たもの。アンプ基板の上に黒く見えるカバーの中にスイッチング電源が入っていた。
スイッチング電源は18.5V20Wの標準的なもの、それの一次整流回路はGBP310(1KV3A品)で、一次整流直後のコンデンサは400V100uF。
ここでの電源改善方針は、前回励磁スピーカー用のスイッチング電源を音楽用に改善した時の内容(https://practnaga.asablo.jp/blog/2025/03/30/ )と同じ内容を実施する。
1)スイッチング電源の一次整流回路をB24A45HV2に交換して補助コンデンサは150uF/500Vとする。これで電源における整流回路の電流欠損を無くす。

2)電源の出力回路にFixCurrent相当回路(LCM+CPM|+コンデンサ)を入れて電流補償する。これでスイッチング動作による電流欠損とプラス・マイナスのノイズを無くす。
あと、最後に
3) 2wayのスピーカ駆動回路を調べてSPMDの効果がありそうであればSPMDを内蔵させる。
まず1)までで一旦試聴。
整流回路を入れ替えたスイッチング電源基板。流石に補助コンデンサが大きい。しかしまだ土管音質。このままではダメ。
次に
2)電源の出力回路にLC-9003Hを入れてその前後のコンデンサは25V6800uFと35V3300uFでコンデンサ比ほぼ2:1とし、最終段にはCP9003HCと50V10uFのセラミックコンデンサをパラった。
ここまでの作業でやっと土管から脱出。滑らかな音がでてきた。
最後に
SPMDの可能性を知るためにスピーカー回路を調べたが、さすがに小さいスピーカーを低域と高域に工夫して分けているためコイルを含んだネットワークが組まれていた。ただ、高域側のインダクタンスを調べたら0.2mH(実測値)と小さいものであったことから、SPMDの効果も期待できるものと判断し、3)を実施。回路の都合上右と左にそれぞれ1個ずつSPMD-6Fを取り付けた。
結局
上記1)〜3)の全てを実施した結果としての音は、チューニング済みのYAMAHAのNS-3MXと遜色無い音にまで改善された。むしろ低域はこちらの方が望ましいかもしれない。高域も十分に伸びているし、NS-3MXより明るい音である。コンパクトなくせになかなか良い感じ。
MacMiniを音源として、TunedSU-1+ss120+NS-3Mxの音と、
MacMiniのブルーツースに繋いだMR3を切り替えながら同じソースで比較試聴したが、机上での中音量までの領域はどちらも優劣つけ難い音がしている。
机の左脇のディスプレイ・スタンドの脇に重ねて両スピーカー
当店のチューニングは製品本来の音を引き出す。
滑らかな音、かつ解像度の高い音を目指すチューニングは一にも二にも電源を改善するものであり、決して音色を変えるものではないが、その製品の素性が良いものであれば間違いなく癒される音になる。
MR3も、素性はなかなか良い製品であった。これなら十分に本番利用できる。オーディオ製品にとって如何に電源が大事かと言うことをわかってもらうには良い製品である、とも言える。
そこで、このフルチューンMR3の音を聞いてみたい方にはお貸し出しします。
店主まで問い合わせください。
https://www.practsoundsystem.jp
Tel 090-3452-0279
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