倍音再生という選択肢 その22025-06-01

選択肢と書きましたが、選択しても再生できないスピーカーがあることを知りました。
例としてTANNOY KENSINGTON GR 
十分に高級・高額なスピーカーですが、このスピーカでは正しい倍音を再生することはできません。

通常の楽器の基音の周波数は次のとおりです。

【1】オーケストラ楽器の基音(実音)の周波数範囲

楽器群 基音周波数の範囲(おおよそ)


コントラバス・チューバ 約 40 Hz ~ 250 Hz
チェロ・ファゴット 約 60 Hz ~ 500 Hz
ヴィオラ・ホルン 約 130 Hz ~ 700 Hz
ヴァイオリン・クラリネット・フルート 約 200 Hz ~ 2,500 Hz
ピッコロ 約 500 Hz ~ 4,000 Hz

倍音とは楽器それぞれの基音の精数倍で広がる音紋をいいますが、特に臨場感とリアリティを構成しているのは5000Hzから14000Hz ほどの周波数までです。これらの高い周波数が会場の空気感や録音スタジオの雰囲気情報を含んでいます。

しかしながら一般にスピーカに5000Hz以上の音楽信号を送るとスピーカー自体の自己インダクタンスによる逆起電圧により正しい倍音信号となはならずに歪められて届いていることは当店のブログにも書いています

https://practnaga.asablo.jp/blog/2025/04/16/


これを正しい倍音を再生できるようにするのが卵(SPMDシリーズ)ですが、上記のスピーカーでは内蔵しているネットワークに1.2mH程度のコイルがはいっているらしく、それがあるとそこで倍音そのものがカットされて通過できないかあるいは通過しても異常な波形のまま通過してしまうのです。卵でいくら是正しようとしても、スピーカーネットワークのコイルによってカットされてしまい、正しい倍音は再生されません。つまり残念ですがこのスピーカでは生まれつき倍音は正しく再生されないのです。

スピーカーをネットワックで分ける場合はデジタルチャンネルディバイダで切ってからそれぞれをパワーアンプに通してやればそれぞれのスピーカーラインに卵をいれることで倍音再生も可能ですが、KENSINGTONの場合はコーンとボイスコイルが二重になっていて、それらを分けるパッシブ・ネットワークを最初から内蔵していて、そこにコイルが入っているので無理なのです。

TANNOY KENSINGTONも音の良いスピーカーであることは知られています。
それですら、倍音を正しく再生できないのですから、いかに倍音というものがこれまでおろそかにされてきたかがわかろうというものです。

例えばシングルコーンのスピーカーや、たとえ2way であってもコンデンサと抵抗だけでわけられているもの(当店のBrilon1.0SLEもそう)だったら間違いなく卵をいれることで正しい倍音の再生が可能です。
それができるとリアリティ溢れる音に包まれる臨場感を体験できます。


DAC+AMP+卵付きSPケーブルをお貸しします。
お問い合わせください。


info@practsoundsystem.jp

090-3452-0279 岡本



ケーブルの見直し2025-06-03

正直に書く。


第二世代電源で音楽を楽しんでいた時にはラダーケーブルで十分と思っていた。

そのためラインケーブル、内部配線、スピーカーケーブルに至るまで全てをラダーケーブルで統一していた。

昨年末から今年にかけて逆起電圧キャンセル素子の開発を行なった。当初はラダーこそベストと考えていた。ところが、超長分子圧延ともいうべき鍛造方法にて作られたTripleCのSPC-AVの音を聞いてびっくりした。卵を実装したアンプの音はもっともっと膨大な情報量を抱えていたんだということがわかった。


卵の効果は余韻や倍音として聞こえる高音域の改善だけではない。重低音から最高音域に至るまでの全ての領域で解像度が急上昇し、その情報量たるや凄まじい。ラダーではこれに対応しきれていないことが判明した。


SPC-AVは巷では「解像度は高いが低音が出ない」と言われているケーブルである。しかしそんなことはない、逆起電圧をキャンセルし、極限まで情報量を向上させたアンプの音は、このケーブルを通すと全ての音域をたっぷり豊かに、かつ正確に再生してくれる。


これに気がついてから、DACからアンプまでのラインケーブル、アンプ内部の入力線、出力線、アンプからでたスピーカケーブルを全てSPC-AVにした。

抜群の抱擁感。抜群の低域のメリ・ハリを伴って、ベースと、ドラムのすべての太鼓が明瞭に見える。バイオリンの音はどこまでも悩ましく滑らかに伸びる。いいや全ての楽器の音が聞こえて目に見える。激しいドラムも悩ましいヴォーカルも余すところなく。。

この包まれ感は全く初めての経験。


卵の効果が出ない(出せない)スピーカーシステムがあるように、ケーブルにもその情報量を抱えきれないという現象が出ることがよくわかった。


卵を入れてこのような環境を得るには、第二世代電源でドライブされたレスポンスの良いアンプと、スピーカーは単発シングルか、Lの入ってないネットワークで上下を分けただけのシンプルな2ウェイがベスト。そしてスピーカーケーブルは重厚長大な高級ケーブルではなく、1000円/mのSPC-AVがベスト。


これが現時点の当店のベスト構成


音はどんどん進化している。


既存技術に固執しているオーディオメーカさんには絶対にできない進化です。


ホーム・ページの更新が間に合ってませんがSPC-AVはアコリバさんで税別990円/mで販売されています。当店では税込1000円/mで販売してます。5m以上なら送料無料ですのでお得です。


また、当店のss120貸し出しセットのss120本体内部配線はSPC-AVに交換済みです。さらに、貸出セットに含まれるラインケーブルと卵付きスピーカーケーブルももちろんSPC-AV です。


以下はss120のお客様で、SPMD-6Fを内蔵してから内部配線を全てSPC-AVに替えた時のご感想(店主の高校の同級生)

*音の透明感が増して音の輪郭と立体的配置がより分かるようになってる。ベースがしっかり聴こえるからサブウーファーなんかさらに要らないと感じる(^^ゞ。「只音楽だけが其処に浮かんでいる感じ」が更に際立った。ビブラフォンや八神純子の透明度が素晴らしい。明日はツェッペリン聴いてみるよ(^^ゞ。


このあと追加で、スピーカーケーブルもご注文いただきました。