人の耳の話 ― 2026-05-23
ある方がFacebook(オーディオマニア)での「なぜシングルコーンの方が臨場感が出やすいか」という問いかけに次のように感想を述べている。
『人間の耳は、「帯域バランス」以上に「帯域ごとの時間軸のズレ」に敏感なのだと思います。マルチウェイでユニット間の時間軸のズレが大きいと、心地よさを感じません。また、空間の広がりも歪みになり、スピーカーセンターでないと音場がわからなくなるような現象が発生します。逆に、マルチウェイでも、ユニット間の時間軸のズレが少ないと、部屋のどこでも音場の広がりを同じように感じることができます。もちろん、ルームアコースティックは不要です。』(以上、FBより転載)
この意見にすごく同意する。
特に人の耳って、時間軸のズレや歪みなどを自分達が考えている以上に感じ取っているとも思う。
私が、出川式電源でないオーディオ機器や出川式であっても調整の甘い機器の音を長時間聞いていて「疲れる」と感じるのは、やはり音に含まれる歪みを耳が拾っていて、それを無意識に補正しようとして脳が頑張るために頭に負担が掛かっているからだ、と思えてならない。
オーディオをやる上で、物理的な理屈よりも人の感覚って何より大切なものだと思う。それは測定器などでは測定できないものだとも思う。
ここで私が認識を新たにしていることは、自分の脳がどのくらい音を補正して聞いているのかについては自分でも気がつかない(なかなか気づき難い)部分であるということ。
当店のブログを見てくれている方は私がX-DP10というDACの音をフルチューンSUー1と同じレベルにまで引き上げるのに何度もチューニングを追加していることで、私が如何に苦労したかをご理解されているかと思う。
振り返ってみると・・
3月24日に手に入れてから、
3月25日にはまずワード・クロックを入れて改善し、
4月12日には出川式電源を搭載してフルチューン完了としていたものが、長時間聴くうちに不満(疲労感)が出て
4月15日にはDACチップへの細密チューンを入れ、そこで一旦納得していたのに、やはりダメで
5月3日にはIV変換回路も部品を交換して改善している。その時「癒される音とはこういう音をいう」とまで書いていたが、、、
5月13日にお出いただいたK様にはこの時の音を聞いていただいたのだが、その時微妙にSUー1の方が耳障りがないと2人で納得したものである。。
その後、やはりSUー1に比べて微妙に劣っていたことと、本格的に長時間聴き込んでみたときの「疲労感」があったことで、ブログには書いていないが実はその後最後の部品交換を実施して、
現在(5月20日完了)に至っている。ここまでやってようやく毎日継続して聞いても疲れない音にすることができた。本当の意味でフルチューンSUー1と互角の音になったと言える。
ここまでするのにSUー1をフルチューンする何倍も時間もコストも掛かっている。
X-DP10は手の込んだ作りのDACであっただけにいろんなところに音を濁す要因が潜んでいた。しかもそれは、例えばDACの性能を最大限に引き出すようにすると、その後のIVやバッファ回路がついてこれず、それが高音部の頭打ちに伴う波形歪みを発生させて聞き疲れの原因となっていたことが余計に目立ってしまった。これは基本的な回路設計にまで遡って見直さないと改善されない根本的な問題であると共に、様々な機能を盛り込まなければならないメーカー製品ではコスト面とマンパワー面の両方から無理な内容であると思われる。
なぜなら、これまでメーカー製品では超高級品といえども私の納得する音のするDACに出会ったことがない。アンプやCDPもそうである。。。
癒される音とは、1日中音を流して仕事していても、ふと気がついて耳を済ましたときにホッとする。そんな音である。
こういう音は少し音量をあげて聞いていても人との会話の邪魔をしない。
歪みのある音だとまず聞き流しの仕事ができない。ぐったりと頭が疲れて音を止めたくなるのである。そういう音は音量を少しあげただけでも人との会話が聞き取れなくなり成立しなくなる音でもある。
今日はX-DP10+ss600Dspを朝からかけっぱなしで仕事をした。
今夜はSU-1 + ss120spでNetflixを観よう。
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