リレーアッテネータを作った ― 2026-07-08
リレー式アッテネータを作った
内部はSteinMusic製 128STEP Relay Attenuator
2段になっている製品の上下をばらして並べた写真
このリレーアッテネータはバイシュラーク(Beyschlag)製の高精度高級金属皮膜抵抗と日本製リレーを使ってアッテネータを構成したもので、リレー駆動にはDC8〜30Vの外部給電が必要。だがその電源は音響回路とは完全に絶縁されており音質には影響しないのでウチでは12Vの普通のACアダプタを使っている。
前面
このATTに使用されているバイシュラーク(現;Vishey Beyschlag)製の高級金属皮膜抵抗はヨーロッパでその色付けの無さとスピード感においてオーディオ界の定番中の定番だった。SteinMusicでも自社製のネットワークやアンプのパーツとしてこれしか使わないというほどに高く評価している部品。これにNAiS Germany(ドイツ松下)のマイクロリレーを組み合わせて128ステップのT型ボリュームを構成している。
製作にあたりRCAソケットはノイトリック製とし内部配線はSPC-AVを使用している。ケースはタカチのアルミケースである。
背面 ノイトリック製のRCAとDC入力端子(5521内側:+)
内部 SPC-AVにて内部を配線
外観
これをss600D(1KVATr)の入力に入れて、DAC(SU-1)を直接繋いで聞いているが、ぞりぞりするようなリアリティが凄い。これまでプリとして使っていたDENON PMA1500Rも第二世代電源をフル実装していて滑らかな音は出ていたのだが、どうしても色付けがあり、DACチップが出す直接音とは程遠い印象だった。まぁDENONの音も好みの音ではあったのだが。。。
アッテネータだから増幅機能はないが、その分スッキリと透き通った響きが豊かに広がってとても良い感じ。全域にわたって音の純度が上がっている。高域の伸びがすっきりと抜けて自然で、低域はタイトに締まって弾む感じ。プリで随分リアルを損していたな、という感じ。こうやってみるとプリアンプって、その必要性は使い方によると言えると思う。DACから出る音をダイレクトに楽しみたい時はこのアッテネータだけで聞き、いろんなソースを切り替える必要があるときにはプリを通すとか。
SU-1はUSB入力の他にRCAデジタルや光入力も備えているので、ウチにあるHDDレコーダー(YAMAHA CDRーHD1500)やCDP(Softon Model3:CDpro2メカ)も繋げて聞くことができるので普通はこれで十分だし何より音が良い。USB経由でパソコンのラジコ聞いてもリアテリティ抜群。アナウンサーがそこで喋っている感じ。本当に音が自然。
お気に入りのプリがあればその出力にこれをいれてプリのボリューム位置をお好みの位置に固定し、音量調整はこのATTでするようにするとパワーアンプに対するインピーダンスが一定になり安定ドライブできるのでお勧め。
この128StepRelayATTは在庫があと1個ある。
必要な人がいれば製作する。
1台 6万円+税
納期は3週間程度
20年ぶりのお客様からのご注文 ― 2026-07-18
20年ぶりにお問い合わせをいただいた埼玉のK様から、当店のss120デジタルアンプ貸出セットのお申し込みをいただいた。貸出期間の中ほどでメールをいただき、何と「ss600Dsp+DAC+USB FixCurrent+CPM」のご注文をいただきました。大変に有り難く、そしてとても嬉しく思います。
当店は店主が実践確認した上で音の良さを提供していく店です。プラクトとはpractice(実践)を語源としています。貸出品より数倍大きなアンプの、広大で豊かなスケールの音を信じてご注文をいただき、K様、本当にありがとうございます。
K様からは次のような嬉しいメッセージもいただいております。
「今回の貸出で、最近のデジタル技術の進歩と、出川式電源の効果が良く分かりました」
ss600Dspの音は現時点での当店の到達点です。メーカ品のアンプでは絶対に出せない音です。
K様、ご注文いただき誠にありがとうございます。ss600Dspの音の良さは本物です。完成まで楽しみにお待ちくださいませ。
思えば「なぜCDPの音はこんなに酷いのか」を追求していたことから2000年に店を出すことになりました。この四半世紀、ひたすら良い音を求めて実践してきましたが、デジタルオーディオの仕組みを学び、そうしたらデジタルの範囲ばかりではない、いろいろな問題点を見つけてその改善を試してきました。アナログ電源の仕組みを学ぶ過程では出川式電源という素晴らしい整流回路にも出会いましたが、それとともに一般の整流回路の欠陥も学ぶことになりました。音楽がCDではなくストリーミングになる過程でも学習と実践の連続でした。バッテリー電源の良さと現時点での限界も学びました。
デジタルアンプが出たばかり頃の音の悪さは、CDP出始めの頃の音が酷かったことに似ていました。要点を学んで改善を実践すれば劇的に音が改善されることもやってみてわかりました。そればかりか改善の要点を絞って少し投資すれば、これまで誰も聞いたことのないような素晴らしい音と臨場感が再生できることも学びました。ただし、巨大なデジタルアンプを構築する過程では突入電流のラッシュと言う、大蛇がのたうつような電流の暴れ現象にも遭遇しました。何台ものアンプボードを壊して相手を学び、対策して飼い慣らしました。
それら全ての集大成がss600Dspです。
この過程にはお客さまからのアドバイスもたくさん頂きました。
お客様方や先輩方と繋がって実践しながら良い音を追いかけてきた四半世紀でした。
そんな私を「新しい音を作ろう」と若いお仲間が誘ってくださいました。新しい音の空間を作ってオーディオ界に新しい音環境を届ける。現在、そんなワクワクするような仕事の一部をやらせていただいております。
私は孫も4人いるジジィですが、プラクティスはまだまだ続けます。改善を実践して積み重ね、その結果より良い音が出せた時の充実感は私にとっては他では得られない大切なモノです。
K様、皆様、ありがとうございます。
これからもよろしくお願い致します。
岡本
USBアイソレータという音質改善 ― 2026-07-22
お客様から「USBアイソレータ」という商品のご紹介をいただいた。
東京デバイセズ(TD)さんという会社の製品で、外部給電を受けるタイプ(TDPC2010)と、バスパワーで動作するタイプ(TDPC2011)の2種類あって、どちらも確か6K円までの価格であったと記憶している。大きな金額ではないので両方を注文して試してみた。
これらの内容はアナログデバイス製のLM3166というUSB2.0用のアイソレータチップにクロックを組み合わせて構成してあるもので、ガルバニック絶縁とクロックによるリクロックの効果で信号中のノイズを除去するというもの。確かにこれなら音が良くなるはず。
昔、SPDIFデジタルラインに高精度クロックによる叩き直しを入れて音を改善する DX3 Signatureという製品を出していた当店とすれば、このアイソレーターは現代版のリクロック装置ということができる。きちんとガルバニック絶縁しているところは進化しているとも言えるが、まぁそのような専用チップがあるから比較的簡単に実現できているのだとは思う。
小さな基板に稠密に部品が載せてあり、しっかりと透明なスミチューブで中を見せながら絶縁もしてある。カスタムメードを受注することで生業を立てておられる技術集団のような会社さんとお見受けした。
さてその音は、どちらの製品もしっかり音が改善され、音像がしっかりする効果がある。当店ではUSB-PDラインにはすべてFixCurrent+CPMをいれているのでTDPC2010と2011の差は認められなかったが、外部給電できるTDPC2010の方が、その給電ラインを出川式で給電してやることで改善効果は大きい。ただ、TDPC2010はUSB-PDのSU-1をWindowsから認識できなくなるというトラブルが出たりした。MacではこんなことなかったのでウチのWindows機だけの問題かもしれない。
いずれにしてもこの価格でこの効果は絶対にコストパフォーマンスが高いと思う。
コンデンサの塊のようなUSB改善アダプタなんて怪しい製品でも結構な価格で売っていることを考えると、このように明確な理由があって確実に改善される製品で、しかもこの価格で購入できるとあれば抜群のコストバフォーマンスだと思う。
ただし、リクロックはあくまでリクロックであり、若干のデータ欠損を伴うので例えばうちのDAC(X-DP10)に入れているようなワードクロック同期とは内容が違う。内蔵しているクロックの精度もわからないので改善程度はワードクロック同期ほどは無い。
試聴していて面白かったのが、うちのDACのワードクロック同期を停止しておいてこのアイソレータを入れた時には普通の転送よりも明らかに良い音と臨場感になったものだったのが、そこにワードクロック同期をいれてやると音の密度がグンと高くなり、音に厚みが出ていつもの音になるのがわかったことである。
やはりワードクロック同期は最強であるが、コストを考えるとTDPC2010,TDPC2011という製品も悪くない。
https://tokyodevices.com/items/324
https://tokyodevices.com/items/325





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