DS-200 試聴記3 再生ソフト関連2024-04-21

当店のDACはPCM1798を使った自作で、USB受信素子はSA9123,SPDFI受信素子はCS8416,サンプリングレートコンバータには高精度クロックを入れたCS8421を使って構成してあり、192KHz24bitまで再生できます。
電源はアナログ、デジタル、クロックをそれぞれに分けて、さらにUSBラインの電源を外部と絶縁するかたちで5Vも供給してありノイズ混入を避けています。それらの電源は全て第二世代電源です。このような電源構成にしていることで、音の輪郭がはっきりするとともに音の懐が深く、その部屋にいるだけで大きく包まれます。音量をさほど上げなくても音に立体的に包まれる余裕があります。ただし、電源が多いため機材のボリュームも大きく、タカチの430x330x115のケースにやっと入る大きさがあります。

それに対してDS-200はDACこそPCM1795という同時期の物を使っていますが電源は1系統ですし、その容積は1/40以下ですから構成的にかなり無理があることは間違いありません。しかしそれでも音のレンジは広く、余韻もそれなりにあって、音量を下げても音痩せしない点は特筆点です。前回も書きましたが、この価格でこの音は素晴らしいです。安い中華製DACも何種類か試しましたが、それらとは一線を画します。
サウンドフォートさんが「デスクトップ・オーディオ」を標榜されていることが良くわかります。

当店はメインのオーディオの他に、作業用デスクに27インチディスプレイとモニタースピーカを置いていて、そちらではラジオ番組やBGMを流しながら作業したり、プラムビデオを見たりしています。そちらのDACはこれまでSteinBurgのUR22(改)を使っていましたが、これの置き換えに最適だと思います。

さてそこでDSD音源(DSF)ですが、調べてみたらドイツを往復していた5年間の間にダウンロードしていた音源がありました。以前はAndroidのSIMfreeスマホを海外にも持ち歩いて使っていたためそこにダウンロードしてありました。その頃と同じアカウントでmora やe-onkyoにパソコンからログインすると、その頃購入していたデータを再度ダウンロードできました。なかなかしっかりしたサービスですね。当時はスマホ用専用アプリでダウンロード・再生していたのでファイル型式まではわかりませんでしたが、moraで購入してあったデータにはDSF5.6もありました。

ハイレゾ(FLAC192KHz)とDSD5.6で聴き比べてみると、、どちらとも甲乙つけ難い。やはり高解像度の音は良い。
このDS-200を本格的に電源を追加改造してさらに音場が広がるか、試したくなってきてしまいましたが。。。

その前に、パソコン上のハイレゾ再生アプリをいろいろ試していて、再生アプリの出来の良さによってこのDACの音がかなり変わることに気がつきました。

Audirvanaは世界的な評判が高いのでまず無料で試用していました。シェアウェアのポーランド製foober2000や国産のTuneBrowser、個性的な無料ソフトHYSOLIDを試しました。Audirvana,TuneBrowerは設定も簡単で音もかなり良いです。foobar2000も悪くはありません。しかし、なんといってもHYSOLIDがベストでした。

HYSOLIDは[Bit Perfect]を標榜して作られており、WindowsOSにログイン「しない」で使うという特殊なソフトです。
Windowsはログインすることで数々のタスクが起動し、PC内のノイズ環境は最悪になります。それを避けるために、PC側にはドライバー・サーバともいうべき小さな再生ソフトだけを入れ、あとはスマホやタブレットからのリモコン操作で再生させるものです。つまり、これをベストな状態で使うためには軽負荷のWindowsPCを1台、音楽サーバとして占有させなければなりません。そういう不自由さはありますが音は一番良いです。やはりPCのノイズ環境がどれだけ音にとって良くないかを如実に表していると思います。

ただ一つ問題があって、HYSOLIDとDS-200は相性があまりよくないようで、DSD音源の再生ができません。WAVやFLACであれば192KHz24Bit PCMの再生ができてますのであまり問題はありませんが。Brabo-HDのWindows11用ドライバがないことが関係しているのかもしれません。

いずれにしても、HYSOLIDを使う限りDS-200の出す音も素晴らしい臨場感を感じさせてくれます。

DS-200の試聴記は今回で最後です。




DS200 試聴記2 ハイレゾで試聴2024-04-17

DSFデータを入手しようとしましたが、知らないアーティストが多く、私好みの楽曲が無くてちょっと購入を躊躇しています。それより、振り返ってみれば当店にも高解像度データはかなり揃っていることに気づきました。まずはそれで試聴してみました。

試聴では次の構成にてハイレゾ再生を行っています。
信号の流れを上から下に直列に接続してあります。

MacBookPro(2018,32GB) + Audirvana(再生ソフト)+音楽データ(HDD)
+ USB-C=>USB2.0変換アダプタ
+ USBノイズフィルタ(FixCurrent相当品:自作)
+ USB信号清浄回路(Inline)
+ DS-200(DSD-DAC)
+ SD8RCA-n(ラダー型RCAケーブル)
+ InlineRCA
+ Swing (SteinMusic製真空管プリ)
+ SD8RCA-n x 2set
+ Duo (ハイブリッドパワーアンプx4台:バイ・アンプ構成)
+ SD8SP-n(ラダー型スピーカーケーブル) x 2set
+ Brilon1.0SLE(ドイツ製スピーカー:内部ラダー化とコンデンサ交換済み)

Audirvanaはフランス製の音楽再生ソフトで、コンピュータの音楽信号インターフェースを占有してビット列の乱れが生じない工夫をしており音の良さは世界一と言われています。使ってみるとわかりますが、ほんとに音が良いです。さらに、このソフトiPad、iPhoneや別のMacからリモートで操作できるという優れものです。
使い始めたら便利だし音が良いし、で、やめられないかと。

上記の真空管プリやパワーアンプには第二世代電源、DS-200にはFixCurrentを入れてあります。DS-200は国産の低価格DACですが、良い設計思想の元、実に音が良いDACに仕上がっています。伸びも余韻も豊か。低音から高音まで全域にわたって解像度が高く、立体感があって定位もしっかりしてます。包まれる感じが心地よいです。いつまでも聞いていたい音というのはこういう音です。

写真は当店のライブラリからハイレゾ音源を鳴らしているところです。
192Hzの周波数検知ランプ(右端の緑)が点灯しています。
本体のボリュームは信号が通ってないので最低位置です。純粋なDACとして使っています。
上記のリスト記載の通り、MacのUSB-C出力にUCBアダプタを介してFixCurrent相当品とInlineUSBを直列に介してDS-200に接続してあります。小さなUSB-Cソケットに対して接続されているものが長いのでやや心細いですが、通信不良はありません。
電源に入れたFixCurrentは機器の背後にあり見えません。
DS-200使用状態

次回、試聴記3では、当店のマスターDACと比較する予定です。

DS-200届きました(初試聴記)2024-04-16

まず、何も介さず付属のケーブルでMACmini(M2)にUSB接続し、DS-200のRCA出力をSTAXに繋いで視聴しました。再生アプリはVOXで44.1KHzのCD品質音源を再生。
=>低音が少しブーミーであり、やや不明瞭
=>余韻が少し不足。しかしこの価格でかなりの余韻が出ていることに驚き

①USBラインに手作りのFix Current相当回路を入れてみたら、、
=>低音の分解能向上しスッキリした
=>余韻はかなり改善された
これはおそらく、デジタルラインの電源をUSB入力と共用していることによるのではないかと推察。

②さらに試しに上記に加えて外部給電ラインに製品版Fix Currentを入れてみると。
=>低音、、少し良くなった。
=>余韻、、少しよくなった。
FixCurrentの効果があまり無いのは、外部給電に対する内蔵フィルターがしっかりしていることの証で、アナログ回路はFixCurrentを入れなくても相当に良い音であるということ。

③上記に加えてUSBにSteinMusic製Inlineを加えてみる
=>全てがさらにはっきりして音像が明瞭になった。
=>この状態がベストと思う。

ここまでの結果を総合すると、、
そもそもUSBラインには、送り側であるパソコン内部のノイズがたくさん載っていて汚い。
そのノイズは電源線と信号線の両方に乗っている。このため
①USBの電源ラインにFix Current相当回路を入れてUSBの電源を清浄化すること。
③USBの信号ラインにInlineUSBを入れて信号を清浄化すること。
これらの二つのことをするだけで最高のDACになる。
外部給電ラインへのFix Currentも入れた方はいいが、効果はさほど高くない。

それにしても、このサイズ、このコストでこれだけの高音質なDACが構成できることに驚いた。
素晴らしいDACだ。
前にも書いたがボリュームやアナログ回路を介さないダイレクト出力がRCAに出ていることがさらに素晴らしい。入力セレクタも付いているのでうちのメインにもなりうる。
余裕が出たらもう一台購入しようと思う。

今後、メインのシステムに繋いでの視聴と、さらにDSFファイルを送り込んでの視聴もする予定だけど、もう音が良いことがわかっているので視聴そのものが楽しみ。




そろそろDSD?2024-04-13

2015年から2020年まで本業でドイツを行ったり来たりしていました。
あちらの国では石造りの家の価値が下がらずに何世代にもわたって改修されつつ大事にされていますが、それと同じようにレコード+真空管がオーディオのメインでした。古いものを大事にする文化ですね。SteinMusicの家(お城)でもオーディオでは素晴らしい音が鳴っていました。
そんなわけでしばらく「デジタル」の進歩に感知せずにいたのですが、最近あるお客様からDSDは素晴らしいという話を聞きました。
確かDSDはSACDのエンコード技術であり、1ビット変換(音の波動をそのまま密度変換する)ということを知ってはいましたが、SACDプレーヤーからDSD信号を出せる物はないしソース(音源)も販売されていないと思い、これまでは特に意識していませんでした。
ところが、最近は出てるんですねDSD音源(DSF)。まだまだ少ないですが、確認することはできると思います。
DSD再生のできる素子や装置などを調べていて、安い中華製のDACは山ほど出てくるのですがどうも納得いかないと思って探していたら、日本製の面白いDACを見つけました。その製品の開発責任者の公式ブログ(https://soundfort.hatenablog.com)があり、ここに大事なことが書かれていました。曰く(私自身は、DACの持つ音質や特性の差異はあっても、それ以上にアナログ回路による音質の差異が大きいと考えています。)その通りです。デジタル記録はソースでしかなくその信号をきちんと処理して増幅再生するアナログ回路が非常に大事なのです。さらにこの製品(DS-200)には内部アンプを通さないDAC素子ダイレクトのRCA出力もあるという。低価格でまとめてあるのでアナログ回路はそこそこなんでしょう。デジタルをソースと捉えた潔さ。ここに惹かれました。電源も内蔵せず外部からの直流給電です。これはチューニング素材として文句ありません。早速注文しました。

うちで使う時はJulianやSwingなどの良いバッファアンプと組み合わせて、バイ・アンプ化したDuoに繋いで使います。もちろんすべて第二世代電源です。
あとは再生ソフトと、DSFファイルをダウンロードすることですね。。。


PMA1500R 再チューン2024-03-01

DENON PMA1500R(1998)
友人から譲られたPMA1500R、先日第二世代化した際に「中高音は実に綺麗に響くが 低音のゆとりがいまいち」という書き方をした。

今回改めて思いついてコンデンサ容量を見直し、さらに最終段にLCMを追加してみた。そうしたら実に豊かで明確な低音が響くようになった、しかし、それより何より全体が豊かな余韻に包まれて臨場感が素晴らしい。スピーカーを全く感じない。演奏者がその場にいるリアリティと演奏者の配置が眼に見える精度感。実に見事なアンプに化けた。増幅素子にUHC-MOS(120A)を採用しているというが、電流容量の余裕の効果は素晴らしい。1998年当時68000円のこのアンプ、ゲキ化けするアンプであった。

使った部品は次の通り
1:BC80A22HVer2 (24200) x 1個 => 24200
2:CP-3006HC (3520) x 4個 => 14080
3:コンデンサ 5600μF 80V (1980) x 2個 => 3960
4:コンデンサ 12000μF 80V (2310) x 2個 => 4620
5:LC-9003H (8360) x 2個 => 16720
6:コンデンサ100V1500μF (891) x 2本 => 1782
以上 総合計:65,362円(コンデンサは参考価格)

このアンプ、私は最初のチューニングで「低音が不足」と失礼な書き方をしてた。
しかし本当は実に美しい臨場感を再生する可能性を持ったアンプだった。従来の音源ではこれをほとんど利用できてないが、第二世代化でも最大限のチューニングをしてやらないと全ての才能を引き出すことはできないということと思う。
最初の判断を誤ったことへの罪滅ぼしと、私にこの装置をくれた今は無き友人への感謝の気持ちを込めて、この装置をお持ちの方には部品代のみ(工賃無料)にてチューニングをお受けします。

同型のアンプをお持ちの方はお申し出ください。
現状のまま使うのは実にもったいないです。