NS3-MxをAlpair5Gと合わせて2Way化 ― 2025-09-23
ガラスコーンスピーカーをツィータとして追加
Alpair5Gという8cmのガラスコーンスピーカーを作った際に、その中高音の解像度の高さと響きの美しさが印象に残っていた。その反面、低音はほとんど出ないのだが。
1セットめのAlpair5Gは、友人宅に行って帰ってきそうにない。そのため新たにもう1セット作成した。その1セットがお客様への貸出先から戻ったので、スピーカーの新たな構成を試したくなった。Alpair5GをツィータとしてNS3-Mxに追加するというトライアルである。
ウチの机上スピーカーはチューニング済みのNS-3Mxであり、内部配線材と抵抗、コンデンサを高品質化しただけで以前よりは高音域に伸びが出ていたのであるが、何よりこれの内蔵ネットワークにはコイルが入っていてSPMDの効果がやや不足していた。それを改善したかったことと、さらに澄んだ高音と余韻が欲しくて、色々トライしてなんとかAlpair5Gをツィータとして追加して2Way化できたのでそのレポート。
まず前提として、ボックスに入れたAlpair5Gはその中高音の美しさから貸し出し機としても使っており、そのためそれなしでNS-3Mx単独でも使える状態で2Way化できないかと検討した。つまり、2Way化した際に必要となる周波数分解回路を箱の外に出すこととしたのである。SteinMusicのバナナプラグは何段にも重ねて使用できるのでその機能を応用した。
最初にやったことは、まずAlpair5G側の分担周波数を8〜10KHz以上ぐらいとしてコンデンサ2.2ufを入れ、ゲイン調整のために5.2オームをAlpair5Gのスピーカーラインに直列に入れた。これらは何度も試聴を繰り返してカット・アンド・トライの結果である。
この状態でNS-3Mxとパラにして試聴してみた。
このままだとやはり上・下スピーカーの音域のぶつかり合いがあり、中高音域で音に濁りがでた、これはAlpair5Gの位相を反転しても改善されなかった。そこでNS-3Mxの入り口に10uF/6KVをパラに追加してローパスフィルタを構成し、NS-3Mx側の中高音を減衰させた。
写真はこれらのフィルター回路を外部にぶら下げた状態のSP背面である。
SteinMusic製のベリリウムカッパー製バナナプラグで、NS-3Mxの背面には大きなフィルムコンとパラ配線を重ねて接続している、
さらに、Alpair5Gにだけ個別にSPMD-6Fx2を取り付けた。これでより純度が上がった。

これでやっと上から下まで濁りなく、さらに高音部の解像度と情報量が改善されてSPMDの効果も抜群に働き、滑らかな余韻と臨場感に包まれている。良い音。
今日はRadikoでBayFM78.0のINTER-EXPRESS Hour.2を聴いている。フィニアス・オコネル(ビリー・アイリッシュの兄)の素敵な曲に包まれる臨場感も最高だが、アナウンサー門脇知子さんの声のリアル感がまた、堪らない。
優秀なユニットを、手持ちの部品で組み合わせるだけでこれだけの音が出せた。最高!
ss120貸し出しキットの内容を変更します ― 2025-09-13
このところ、貸し出しキットにはSPMD付きのスピーカーケーブル(SPAC-AV)も入れているのですが、これだけだとSPMDの効果なのかSPC-AVの音なのかが分からないというご意見をいただきました。
確かにそうですね。スピーカによってSPMDの効果の出方には差がありますので、第二世代電源やSPC-AVの音を知らない方には区別できないかと思います。
=>SPMD
スピーカ自体が出す位相ノイズをキャンセルする素子。アンプの音がダイレクトに再生されます。
=>SPC-AV
高純度な銅線を特殊な鍛造技術により高解像度に仕上げた赤い配線材。第二世代電源とSPMDを組み合わせた膨大な情報量を正しく伝えるための伝送路としては、今のところSPC-AV が最適。
そこで、貸し出しキットにスピーカーケーブルを次の2種類同梱することしました。
1)SPMD-10F付き SPC-AV-SP 2Mペア
2)SPC-AV-SP 2Mペア
これらを使ってSPMDの効果確認をする時には、使用するDACとアンプは必ず貸し出しキットに同梱するものを使ってください。
第二世代電源(出川式電源)を実装していないDACやアンプで再生すると、SPMDを入れた場合、本来の余韻が途切れて違和感として聞こえる可能性があります。
また、貸し出しセットでは、同梱のRCAケーブルもラダーから SPC-AV-RCA 50cmペア に変更しております。
さらに、スマホ接続用にはこれまで考えうる種類・数だけのアダプタを同梱していましたが、お客様のスマホに合わせて選択していただき、1個だけを同梱することとしました。
都合、貸し出し品の一覧は次の通りとなります。
1,ss120kit 本体 - 1 -
2,IEC規格電源コード. -1-
3,USB-DAC(SU-1 Tune済み品: USB cable付属) - 1 -
4,USB-PD FixCurrent+CPMsp. - 1 -
5,ss120とDACを繋ぐSPC-AV RCAケーブル. - 50cmペア-
6,( ) Lightning to USB-A adapter. - 1 - iPhone接続用
( ) MicroUSB to USB-A adapter - 1 - Android 接続用
( ) USB-C to USB-A adapter. - 1 - Android/iPhone/iPad 接続用
上記のいずれか、お客様のスマホの仕様に合わせて1点
7,ACアダプタ 5V品
8,SPMD-10F付き、SPC-AVスピーカーケーブル – 2mペア-
9,SPC-AVスピーカーケーブル – 2mペア-
2.6.7.. は一般の購入品です。
8、9は、SPMDの効果をご確認いただくために有・無の両方を用意しました。お客様のSPに繋いで、SPMDの効果をご確認下さい。
その際、必ずDACは上記のSU-1と、アンプはss120をお使い下さい
第二世代電源を実装していないアンプでは余韻が正しく再生されず、途切れ途切れになり違和感を感じる可能性があります。
Alpari5 v3SSRectangleer というスピーカー ― 2025-09-02
前回作ったAlpair 5Gは同級生に貸し出しで送ったらどうやら帰ってきそうに無い。あの中高音域の心地よさが忘れられなくて、再度自分用に作ろうと思った。ところが新製品がでていた。新開発された方形導体を使ったというAlpair5v3SSRectangler-Gold(名前が長い、、)と言う製品。ガラスコーンでは無いが、ボイスコイルを旧版より少し軽くしたという、その効果か5GよりFsが少し下がっているのと、最高音部の周波数特性が5Gほどフラットでは無い、という違いがある。新製品なのに価格が安いので試しに買ってみた。ボックスは前回と同じ様に共立無線からAlpair5G 専用箱キットを買って組み立てた。
しかし、、 ユニットがホールに入らない。なんと、裏を見たらスピーカーフレームの背面ステーがホールのへりにぶつかっていた。ちょうどビス穴に掛かるくらいの位置にある四箇所のステーの外周が穴径より僅かに広い。同じAlpairシリーズの8cmとはいえサイズが違う。まぁ当たり前か。
ホールに入らない問題は塗装してから見つけたため「開け直し」は無理。やむなく大きめの金ヤスリでホール側の当たる部分をせっせと削った。炎天下庭先でやったもので大汗をかいた。
そうやってなんとか組み上げた音であるが、なんとなかなか美しい中高音。低音もとにかく歯切れがいいので文句なし楽しめる。ブライアン・ブロムバーグのWoodなんかはノリノリである。
Fsが5Gより微妙に低い効果は正直、わからない。二つを並べて聞いているわけじゃ無いからね。
第二世代電源で滑らかな音が出せてるのは当然だが、音に濁りがなくてなかなか優秀なコーンだと思う。
シングルユニットなのでSPMDの効果が抜群である。臨場感も定位も群を抜いている。ピアノもバイオリンも気持ちよく響く。。。悪くない。
これも、第二世代電源とSPMDの組み合わせなら、安いスピーカでも十分に臨場感を堪能できるという証拠のようなスピーカー
だ。
やはり良い音を出す基本は音源であり、増幅回路であり、何にも増してそれらの電源である。
MarkAudio Alpair5G というスピーカー ― 2025-08-24
Mark audio のAlpair 5Gというユニット
特殊なガラスコーンを使ったユニットとのことで、まずはその音を効いてみたくて買ってみた。鳴らすために共立無線の専用ケースキットも買って組み立てた。
組み立ては木工ボンドだけでほぼ済んでしまうが、位置合わせするための角材とか抑えるための重し(我が家では使わない小型SP:デッドマス付きがあった)などが別途必要になるが、ほぼ半日で組み立てられた。
塗装はSteinMusicの音楽用塗料・マエストロを前面・側面・上面にだけ塗った。白木のMDFだったけど、これを塗るとやはり見た感じに落ち着きが出る。
再生は次のシステム
アンプ:ss120(SPMD−6Fを4個内蔵)
スピーカーケーブル:SPC-AV(内部配線も)
音は、中高音のキレと抜け、情報量がすばらしい。低音も8cmユニットなので豊かではないがそこそこ鳴っている。これはスリット・バスレフのケースによるところが大きいかな。
バイオリンやギターなどの弦楽器が美しい。ピアノも良い。シングルユニットなので定位が抜群に良い。音の立ち上がりが良いと何を聞いても楽しい。この状態で少しエージングを進めてみようと思う。
写真は当店の作業机
机の両端にあるのは下が今回作ったAlpair5Gペアと上が前回チューニングしたEdiferMR3。
私が作業する時の音源は主に机の下にあるMacMini+SMSL(SU-1)+ss120と、気が向いたらBT接続でiPad ProやiPhoneから繋いでMR3である。写真に写っているキーボードとマウスはいずれもBluetoothで接続先をMacMiniとiPadProで切り替えて使えるようにしている。Appple製機器の端末間連携システムは使いやすくて良い。
MR3の音はいいのだが、アンプが右側だけに入っているため右から左まで配線を伸ばしていて左右の配線長を揃えることができない。そのため残念なことに臨場感ではイマイチなのである。だからMR3を使うのは環境音としてオーディオを流しておく時だけ。
その点Alpari5GはシングルユニットそのままをSPMD-6F入りのss120から等しい長さのSPC-AVでドライブしているので焦点はピタリと合う。高音部の高解像度と相まって演奏者周囲の空気感までが再生される。抜群の臨場感である。通常この位置にはYAMAHAのNS3-MX を置いていてチューニング後のアンプの音の確認などをしているが、しばらくはこのAlpair5G を使ってみようと思う。今はブライアン・ブロンバーグのアルバムをこれで聴きながらこの文章を書いている。エージングでどこまで音が馴染むか楽しみである。
プライベート・オーディオの勧め ― 2025-08-17
プライベート・オーディオの勧め
わずかに残っているオーディオ関連雑誌を見ると、高級オーディオと言われる機器の価格がエライことになっている。筐体も大きく重そうであり、重厚に見える。
いつからオーディオは金持ちの道楽になったんだか。。。。
こんなに値段の高いものばかりになると、オーディオって、桁違いにお金がかかるもんだとか、金持ちじゃないと楽しめないとか考える人が増えてしまって、自分で良い音を目指してシステムを構築しようなどと考える人たちはいなくなってしまう。現代の忙しい時間の中では、結局スマホ、パソコンや安いシステムステレオなんかで簡単に済ませているのがほとんどになっているのだろう。
そうなるとオーディオ機器を購入しようという人口が減ってしまい、どんどんオーディオ機器の価格は上がらないと業界も生き残っていけなくなる。その結果としてあんな数千万円や億円を超える装置が販売されていたりする。価格がいくら高くても決して良い音ではないのにねぇ。そうなるとお金を出す人もどんどん減ってきて、結局は真っ当な音質を求めるメーカーがなくなりオーディオ文化そのものが廃れてしまう。
確かにオーディオは趣味だから、どんな音が好きでも構わない。だから私はあなたが聞いている音が酷い音だとは言わない。しかし、たとえば家電店で販売されてる音はどれを聞いても私の耳には歪だらけの酷い音にしか聞こえない。これは音色の問題ではない、音質の問題である。一般のオーディオ機器の音は低音はぼやけ、中高音は耳障りである。音量を上げると、それはそれはやかましい音がする。音量を上げたらそれこそ近所迷惑である。それは、その装置が使っている電源に致命的な欠陥があるからだ。これはブログで何度も言っていることです。
誰ですか?「大音量でないと聞いた気がしない」などと言っているのは!
それはアンプの音が痩せているのです。不足している音をもっと聴きたくなるからあげたくなるのです。
オーディオなんて、勘所に少しお金をかけると途端に見違えるような滑らかで緻密な音を得られるようになる。一般のメーカーではやってないことだが、電源が基本なのです。
高級アンプの音に満足できずに当店にチューニングを依頼される方が多い。でもアンプは高級であればあるほど電源構成が贅沢であり、その電源を全てチューニングするとなるとそれなりにお金もかかってしまう。そんなお金をかけるのなら、素直に当店のss120を購入した方が圧倒的に安く最高の音が手に入る。
ss120は小音量からしっかり臨場感のある癒される音を出せるので、デスク・サイドやベッドサイドに置いてパーソナル・オーディオとして使うのに適している。小さい音量でも密度の高い滑らかな音の出せるアンプは当店のアンプ以外にはない。もちろん、100Wの総合出力があるので一般のリビングにも十分ではあるが。深夜にこっそり、小さな音量で滑らかな音に包まれる。しかも誰にもやかましいなどの迷惑をかけずに、ゆったりと包まれて1日の疲れを癒す。そういう音はこのアンプでなければできない。
「お金をかけたこと」をひけらかす必要のないオーディオならば、ss120は一択である。最高のコストパフォーマンスを保証する。
前にも書いたが、出川先生が昔からのオーディオ仲間で、大規模なオーディオシステムをお持ちのマニアの方にSPMD-10と一緒にss120をお貸ししたら、このアンプの音を気に入られてそのままご購入くださった。それはこのss120の音と使いやすさを気に入られた結果だとのこと。デジタル臭さがなく、管球アンプに負けない音がするコンパクトなss120 を心底気に入ってくださった。
見てくれよりも実を摂る。
オーディオってもともとそういう趣味だったはず。
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info@practsoundsystem.jp
岡本
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