プリアンプのOHを完了2023-04-03

やはりノイズはトランスの向きにより発生していた。
もともとSwing+第二世代電源だけを入れていた大きめのケースに、試験用として128step ATTを電源と共に実装したり、バイアンプにするためのTubeバッファ(Julian)を電源と共に入れたりしているうちに、タンゴの真空管プリ用トランスの置き場所に困りやむなく界磁方向を無視して実装していたもの。これらを一旦全部外して配置を見直し、磁界の干渉を避けるように配置を整理して実装しなおした。43cmx33cmのケースに電源トランス4個と、ATT+Julian+Swingをそれぞれの第二世代電源回路と共に実装すると、ケースはほぼ満杯になった。
構成は次の通り。プリアンプとして2入力+2出力。特に出力側はJulianとSwingを直列にしたり並列にしたり、それぞれ単独使用にしたりと、リレーを3箇所(計6個)に入れて様々な構成を取れるように工夫した。

プリアンプ構成図

音はやはり流石にSteinMusicの音である。どこまでも深く包み込まれるような奥深さがあって見通しもよく、包まれる感覚に癒される。通常、バッファアンプなどを入れるとどうしても音の見通しが悪くなりがちであるが、それぞれのアンプに第二世代電源を実装することで全く劣化しない。OHしてやっと本来の音に戻った。気持ちいい〜(^^

音に疲れる、ということ2023-04-21

若い頃はエコノミークラスで10時間移動しても苦にならなかった。疲れてはいたのだろうけど、夜に出る便で10時間飛行しても、機内で寝てさえいれば翌朝きちんと出勤できたものである。それが50を過ぎてからの長時間移動ではたとえビジネスクラスでしっかり寝ていても疲れが取れなかった。疲れの原因はやはりゴォーと継続して頭に響くジェット音であった。この音は、たとえイヤホンで音楽や映画を楽しんでいても、通奏低音の如く身体に響いているものと思う。定年を挟んで数十回の海外出張をするうちになんとか対策しようと、アクティブノイズキャンセルの強力なソニーのヘッドセットを使ってみた。WI1000XM2という製品でバッテリー持続も10時間と飛行中だいたいもつ。たとえ音楽を聴いていなくてもノイキャン機能を活かしておくだけで疲れが格段に違うことがわかった。熟睡の度合いも違う。
これと同じことが、オーディオの世界でもある。

第二世代電源を入れていないオーディオでは200Hzの音圧の欠損が生じており、これは耳には聞こえなくても重畳低音として頭(身体に)に響いていている。これを聴き続けるとかなり疲労する。だからBGMを流して仕事や勉強をする場合など、通常電源の音では疲れてしまって聴き続けられない。第二世代電源を知ってしまうと、通常電源の音は受け付けない身体になってしまう。。。第二世代の滑らかな音は、やっぱりほっとする、癒しの音である。



Edison製の蓄音機を修理しました2023-04-22

当店がある日立市という街には手に職をもつ技術者が多い。もともと大きな工場とともに発展してきた街であるので、溶接、ロウ付け、機械加工や絶縁材料、ネジ専門などなど一般的なものから特殊なものまでたくさんの方々がいらっしゃる。そんな折、私のお客様から「100年前のレコードプレーヤ(Edison B19)を手に入れたのだがサウンドボックスを継なぐアームの一部が欠け落ちてしまい使えない。直せないか」とのご相談をいただいた。その本体をお預かりし、調べていくうち色々なことがわかってきた。

@ Edisonのこの機種はレコード最初期の「縦方向に音楽信号が刻まれている’円盤’」用であること。

’円盤’=>エジソンの発明品の記録媒体は筒状のドラムだったが、それを円盤にしただけの単純なもので、円盤の厚さは6mmもある重たいもの。円盤は鋳物のターンテーブルに載っており、その駆動には大きくて太いゼンマイが使われている。クランクを手で回してゼンマイを巻きあげ、ブレーキを外すとほぼ一定速度(78rpm)で回転する。刻まれた音を拾うのは鉄の針で、その振動は鉄針が取り付けられているサウンドボックス内のマイカの振動板に伝えられ、その音がサウンドボックス直結の配管を伝わって装置下部のホーンから吐き出される構造。

問題点
1.この装置は縦振動用のピックアップ・アームをこの製品の何年か後に出た横振動の円盤に対応させるためアームを無理やりに交換していた。その折、アームの接合部受け部(鋳物)が欠けてしまっていて、アームを支えられない状態になっている。
2.ゼンマイに引っ掛かりがあり内部のグリスの劣化と思われた。この引っ掛かりはそのまま回転ムラになるためグリス洗浄と再充填をしなければならない。

アームの受けが欠けている

まず1.については友人がさらにその友人方々の知見を集めて検討してくれて、最初はロウ付けも考慮したのだが、かつての金属が亜鉛合金である(アルミはまだ一般的ではなかった時代)ことから、特殊溶接になり材料も工賃も異常に高い。そこで、割れた配管の内側に適切なアルミ小管を接合し、欠けた部品はアルミで再生して補修することにし、それらの接合には特殊な接着剤で処理することとした。
補修完了した受け

これを完了して試聴していたら、2.の問題が発現した。まぁ100年も前の機械装置なので、たとえばグリスに限らず潤滑剤の劣化や硬化は発生してしかるべきであろう。
この対策をするため機械油が必要な部分は高級な時計用油で洗浄して入れ替え、ゼンマイのグリスについては充填作業を実施した。この充填作業が大変。大昔なのでグリスニップルがあるわけではなくゼンマイのケース(香箱)に小さな穴が空いているだけ。手持ちのグリスガンの最小口径がこの穴より小さかったことから、この穴にグリスガンの口をあてて流し込む。ニップルじゃないので圧はかけられない。静圧で落とすしかなく、なかなか充填できない。何度もゼンマイを巻いたり解いたりしながら各部に行き渡らさせ、動きがスムーズになるまで繰り返す。数日かかるかも、というレベルで根気のいる作業。なんとか4日で完了させた。

さらに、サウンドボックスについてはマイカ(雲母)のものがついていたが、後年のジュラルミン製のものの方が音がよいことはわかっていたので、友人の手持ちでサイズの合うものを探したら、1個だけ見つかった。これを付けてみたら音圧もS/Nも上がって実にいい感じ。音量もしっかりある。電気を一切使わない、しかもデジタル分割されていないアナログの音。これはこれで実に味わい深いものである。

完成して試聴中

これらの作業を完了し、ジュラルミンのサウンドボックスを含めてお客様に納品した。
スムーズな動きと、音質の改善にお客様は大満足であったことは言うまでもない。

蓄音機の修理は全てができるわけではありませんが、ご相談をお受けします。
下記、当店のHPへどうぞ
https://www.ne.jp/asahi/sound.system/pract/